ブルース・スプリングスティーン、伝説の『ネブラスカ』エレクトリック・バージョンが待望のボックスセットとして登場
1982年にリリースされたブルース・スプリングスティーンの名作アルバム『ネブラスカ』。その静謐でローファイなサウンドとテーマ性で高い評価を受け、現在も多くの音楽ファンに愛されているこの作品が、2025年10月17日、ついに未公開音源を大量収録した豪華ボックスセット『Nebraska ’82: Expanded Edition』として発売されます。
『ネブラスカ』とはどんなアルバム?
- 1982年にリリースされた、スプリングスティーンの6作目のスタジオ・アルバム
- 本作の多くは弾き語りに近いシンプルな録音で、アメリカの闇や孤独を描いた物語性が印象的
- 代表曲として「アトランティック・シティ」「ジョニー99」「マンション・オン・ザ・ヒル」など
- オリジナル盤は、ほぼ自宅での4トラック録音で制作された
- 商業的な大ヒットではなかったが、そのリアルな表現と内省的な世界観で長く評価されている
リリースされるExpanded Editionボックスセットの内容
今回の『Nebraska ’82: Expanded Edition』は、4CD/4LP+Blu-ray形式で提供され、これまで語り草だった「エレクトリック・ネブラスカ」セッションのフルバンド録音や未発表アウトテイク、「ネブラスカ」新規リマスター、さらに2025年のライブ映像などを収録する豪華仕様です。
- DISC 1:オリジナル・ネブラスカ(2025年最新リマスター)
- DISC 2:伝説の「エレクトリック・ネブラスカ」セッション音源(未発表含むフルバンド版)
- DISC 3:2025年4月22日レッドバンク、カウントベイシー・センターで行われた『ネブラスカ』完全再現ライブ音源(未発表)
- DISC 4:ソロアウトテイクや新規リミックス、レア音源など(未発表多数)
- Blu-ray:『ネブラスカ』完全再現ライブのハイレゾ映像(ドルビーアトモス等のサラウンド音声対応)
未公開だった「エレクトリック・ネブラスカ」とは?
『ネブラスカ』はスプリングスティーン自宅でのデモ録音をそのまま発売したことで有名ですが、当時、バックバンドのEストリート・バンドとスタジオで「エレクトリック・ネブラスカ」と呼ばれるフルバンドバージョンも同時に録音していたことが長年ファンの間で語り継がれてきました。
今回のボックスセットでは、その幻のセッション音源が初めて公式に明らかにされ、「アトランティック・シティ」「マンション・オン・ザ・ヒル」「ジョニー99」「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」「オープン・オールナイト」などのフルバンド・バージョンが収録されます。当時はリリースされず、一部曲のバンドアレンジが後に別作品「Born in the U.S.A.」やシングルのカップリング等で断片的に発表されていましたが、今回ほぼ全貌が揃うのはファン待望と言えるでしょう。
「ネブラスカ」発表当時の評価とチャート成績
- 1982年リリース当初は異色作として受け止められるも、幅広い批評家から絶賛
- 全米アルバムチャートで第3位を記録。50万枚以上を売り上げ、RIAAゴールドディスク認定
- シングル「アトランティック・シティ」はラジオやMTVで一部人気に
- グラミー賞ではノミネート止まりだったが、各年のベストアルバムにもたびたび選出
- 後年には現代アメリカ音楽の金字塔とされ、その内省的な詩世界は多くのシンガーソングライターに影響を与えている
2025年、なぜ今「ネブラスカ」なのか?
2025年は、ブルース・スプリングスティーンの半生を描く注目のバイオグラフィ映画『Deliver Me From Nowhere』(日本公開未定)が世界公開されるタイミングでもあります。これに合わせ、物語の中心ともいえる『ネブラスカ』が改めてスポットライトを浴びることになりました。
映画の公開、新たなアーカイブ音源の発掘、最先端のハイレゾ映像など、アーティスト、作品、時代の空気が三位一体となってよみがえる、まさに決定版と言えるリリースです。
ボックスセット仕様の詳細・ファン必見ポイント
- 高品質な日本プレス仕様やBSCD2による最新リマスター(国内盤)
- 未発表音源が全容公開されることで、スプリングスティーンの創作過程やアルバムがもつもう一つの顔に迫れる
- Blu-ray映像にはサラウンド音声(ドルビーアトモス他)やリニアPCMステレオなど選べる再生環境
- ボックスセット全容がストリーミング配信でも聞くことができる(予定)
- 価格帯や特典は流通によって異なるため、公式サイトやショップでの事前確認がおすすめ
音楽ファン・スプリングスティーンファンへのメッセージ
この40年以上前のアルバムが、これほどまでに新たな光を浴びるのは、名作たる所以です。スプリングスティーンの創作の裏側を知りたい方、1982年当時のアメリカ社会と音楽がどのように交差したかに興味のある方、そして「エレクトリック・ネブラスカ」がどのような音だったのか気になっていたファンの皆さんに、間違いなく心待ちにされる一箱となるでしょう。
今、時代と世代を超えて、その魂に触れるまたとない機会がやってきました。2025年10月17日の発売日まで、ワクワクしながらその時を待ちたいものです。