大阪・関西万博を彩る「日本発」ユニフォーム――コシノジュンコが紡ぐデザインの未来
2025年に開催されている大阪・関西万博は、世界中から最新の技術とアイディアが集結し、多彩な展示とともに新しい時代の到来を示しています。なかでも今回は、出展企業のスタッフが着用するユニフォームが日本のデザイン力を『際立たせている』と多方面で話題となっています。その中心には、世界的ファッションデザイナーコシノジュンコさんの存在があります。本記事では、ユニフォームに込められた想いとデザインの美学、そして最新の関連イベントについて、わかりやすくご紹介します。
1. 大阪・関西万博のユニフォームに宿る「日本発」の美学
今回、大阪・関西万博のなかでも大きな注目を集めているのが、「大阪ヘルスケアパビリオン」に出展するタカラベルモント株式会社のユニフォームです。このユニフォームは、55年ぶりにコシノジュンコさんがデザインを手がけたことでも話題となり、ブランドやトップデザイナーたちの競演が万博の舞台を鮮やかに飾っています。
- 1970年大阪万博でもタカラベルモントとコシノジュンコさんは協力し、「美しく生きる喜び」をテーマにパンツルックの斬新なユニフォームを制作しました。
- 今回は、より普遍的かつ未来志向なデザインとして、「銀と白」を基調に性別や年齢、国籍に捉われないユニバーサルデザインを追求しています。
- 生地には光に反射する素材を用い、着用者が輝きと存在感を放つよう工夫されています。未来への期待と、多様性・包摂性を表現しているところが新時代ならではです。
コシノさん自身も、今回のユニフォームについて「未来への挑戦をデザインに込めた」、「シルバーは未来への光」とコメントし、着用した瞬間にスタッフがプロとしての自覚や誇りを感じられるような工夫を凝らしたと語っています。
2. ファッションショーで発表――現場スタッフと共につくるデザイン
ユニフォームは完成後、タカラベルモント社の従業員自身がモデルとして登場するファッションショー形式で披露されました。まさに、着用する現場スタッフと共に「一体感」を生み出すという意識が強く反映されています。
- 同社はユニフォーム完成までに幾度も試作を重ね、ブースの「多面的な美」にオマージュを捧げるデザインとしました。
- ファッションショー当日には、実際の万博会場で働くスタッフたち自身がユニフォームをまといランウェイを歩きました。その姿が多くの来場者に強い印象を残しました。
- 「衣服としての快適さ」だけでなく、「自分自身が未来社会の象徴となる」という使命感を持てることが、ユニフォームに求められた最も重要なポイントです。
3. サステナビリティへの配慮――進化する現代ユニフォーム
令和の時代を映す最新ユニフォームには、サステナビリティ(持続可能性)の視点が欠かせません。他パビリオンのユニフォームでもリサイクル素材やエコな生産手法を活用している例が多く見られ、万博全体が「地球の未来」を見据えた取り組みを進めています。
- 素材選定においては「長持ちしやすく、地球にやさしい」製品作りを重視。
- エコファッションの提案を通じて、来場者に「消費」と「環境保護」のこれからのあり方を問いかけています。
こうした工夫は、スタッフだけでなく万博を訪れる人々にも地球規模での課題解決に向けた小さな『行動』の大切さを伝える役割を果たしています。
4. 伝統と革新の融合――コシノジュンコさんのデザイン哲学
今回の万博では、コシノジュンコさんがシニアアドバイザーも務めるなど、ファッションと展示空間の両面から「未来」をプロデュースしています。また、1970年万博当時からの縁や想いが込められている点も特筆すべきところです。
- 「自分が着たいユニフォーム」から「スタッフ自身が輝けるユニフォーム」へと、時代とともにデザイン哲学にも大きな進化が見られます。
- 参加者、スタッフ、そして観衆が一体となって体験を共有できるよう、「着る人」と「観る人」その双方の視点をデザインの根底に据えています。
- デザインの力で会場全体にポジティブなエネルギーを届け、誰もが未来を肯定的に捉えられるような空間を生み出す役割を担っています。
5. タカラベルモントの社会貢献――ユニフォームの教育機関への寄贈
万博で実際に使用されたコシノジュンコデザインのユニフォームは、タカラベルモント株式会社から教育機関に寄贈されることが発表されています。これは若い世代にデザインの力とユニフォームの持つ社会的役割を伝え、ファッションを通じた学びと成長を支援する取り組みです。
- 実際の現場で使われた高品質なユニフォームを手に取ることで、学生たちが身近にデザインの最前線を感じることができます。
- 「未来のデザイナー」やサービス業を志す若者たちに、仕事への誇りやプロフェッショナリズムの大切さを実体験として学んでもらう狙いがあります。
6. 「コシノジュンコのデザインの美学」特別講座を開催
万博期間中の2025年9月9日(火)には、NHKカルチャーが主催する「コシノジュンコのデザインの美学」講座が開催されました。場所は大阪・梅田で、コシノさん本人に直接会い、そのデザイン哲学についてお話をうかがえるとても貴重な機会となりました。
- デザインの背景にある熱い想いや、美しさと機能性の両立を追求する日々のエピソードなど、ここでしか聞けない内容が満載でした。
- 参加者からは、「コシノさんに直接質問できたことで、デザインや職業観についての新たな気づきが得られた」と大きな反響が寄せられました。
7. ブランド・デザイナーの競演――多様性と個性が光る万博の舞台
タカラベルモントをはじめ、大阪・関西万博に参加する各企業がそれぞれのブランドと実力派デザイナーによる「日本発」ならではの独自性溢れるユニフォームを披露しています。
- 伝統技術と最先端デザインの融合が、大阪万博という国際的イベントをさらに特別な舞台に押し上げています。
- 来場者はもちろん、世界中のメディアやデザイナーからも高い関心が寄せられ、日本のクリエイティブ産業の発信地として大きな役割を果たしています。
8. 万博が未来の「働く服」を提案する意義
今回の万博でお披露目されたユニフォーム群は、ただの業務用衣服に留まらず、未来社会にふさわしい働き方や価値観を提案する存在となっています。
- 「着る人」も「見る人」もワクワクするデザインが、職場に誇りと楽しさを届け、日々を輝かせる。
- ファッションが持つ力で、日本から世界に「多様性」と「調和」のメッセージが発信され続けています。
大阪・関西万博は、ユニフォームという日常的かつ特別な「服」にも、未来への希望と日本独自の美意識をのせて開催されています。多様な価値観が交じり合う国際的な舞台で、コシノジュンコさんをはじめ日本のデザイナーたちがどのように次世代のスタンダードを創りあげていくのか。今後もその歩みに大きな注目が集まります。