Brave groupの最新動向:VTuber「ぶいすぽっ!」赤字拡大と新たな挑戦
はじめに
VTuber業界で注目を集める「ぶいすぽっ!」を運営するBrave groupが、2025年8月27日に第7期決算公告を発表しました。その内容は、前期よりも大幅な赤字拡大という厳しい現実を示すものでした。一方で、業界での有名プロジェクト「ぶいすぽっ!」が「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2025」の公式応援アンバサダーに就任するなど、積極的な活動も目立っています。
Brave groupの第7期決算――赤字拡大と資本金減少
2023年10月1日~2024年9月30日の第7期決算によると、純損失は約21億5645万円と大幅に赤字が拡大しました。前期の8億8463万円と比べると、約2.4倍の増加です。この厳しい数字の背景には、同社の積極的な事業展開や海外進出にともなう投資拡大があります。
- 第6期(2022年10月~2023年9月):純損失8億8463万円
- 第7期(2023年10月~2024年9月):純損失21億5645万円
また、資本金は12億3344万円、資本準備金は4億円にそれぞれ減少しました。減資は前年に続いて行われており、財務基盤の見直しが続いていることもうかがえます。
積極的な海外展開と拡大戦略
赤字の拡大の要因のひとつとして、Brave groupの積極的な海外事業展開が挙げられます。23~24年にかけて、4カ国、5拠点の海外拠点を設立し、海外VTuberグループ「idol」の事業を買収するなど、将来的な成長を見据えた投資を大胆に行っています。
- 海外拠点:4カ国5拠点を新設
- 事業買収:海外VTuberグループ「idol」
- 統合:韓国最大級のVTuberプロダクション「StelLive」と経営統合(2025年7月)
こうした拡大戦略の結果、総資産は前期の35億3615万円から41億9268万円へ増加しました。ただし、収益化の速度が投資の規模に追いついていない現状が、赤字拡大につながっています。
「ぶいすぽっ!」の競技シーンへの挑戦――公式応援アンバサダー就任
2025年、「ぶいすぽっ!」が「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2025」の公式応援アンバサダーに就任したことも話題です。日本のeスポーツシーンでもファンの多い本リーグに、VTuberプロジェクトとして公式に関われるのは快挙といえるでしょう。
この就任によって、「ぶいすぽっ!」の知名度や新しいファン層の拡大が期待されます。コラボレーションやプロモーション活動だけでなく、イベント出演や配信を通じてeスポーツとのシナジーが生まれる可能性があります。
Brave groupの経営姿勢と今後の展望
赤字や減資といった厳しい現実に直面しているBrave groupですが、経営陣は「モメンタム(勢い)を切らさない」ことを重視し、成長と変革を続けています。国内外での新規拠点開設や戦略提携は、リスクを伴いながらも将来的な成長を目指す姿勢の表れです。
- VTuber業界内の競争激化:新規参入やグローバル展開の拡大、人気タレントの獲得競争
- 収益モデルの転換:従来のグッズ販売・ライブ配信だけでなく、企業コラボやイベント進出でのマネタイズ強化
- ファンコミュニティの育成:ユーザーとの双方向の関わりやイベント参加による継続的な支持獲得
経営的には試練の時期といえますが、事業拡大とスポンサード活動により新たな道を模索し続けています。今後の動きにも目が離せません。
VTuberコンテンツの可能性と市場の変化
「ぶいすぽっ!」をはじめ、VTuberの人気は加速しています。バーチャル空間での活動は日本国内にとどまらず、世界中へと広がっています。また、eスポーツとのコラボは新しいファンとの接点や、より多様なコンテンツ展開の土台になるでしょう。
一方で、マネタイズや維持コストの現実的な課題も顕在化しています。競争の激しい業界において、継続的なファン獲得・収益確保は至難の業です。Brave groupのように積極的な投資を続ける企業は、事業規模拡大と収益安定の両立が求められます。
まとめ
- Brave groupは「ぶいすぽっ!」を中心に、国内外での事業拡大・新規事業開拓を続けています。
- 最新決算では、約21億円の大幅な赤字拡大と資本金の減少という厳しい状況が明らかになりました。
- 一方で、「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2025」公式応援アンバサダー就任など、新しい挑戦も目立っています。
- 業界内の競争激化や収益モデルの転換により、今後の経営判断や事業方針が注目されます。
今後も