伊藤万理華が声優で参加 沖縄戦を描く特集アニメ「cocoon~ある夏の少女たちより~」NHK総合で本日放送
話題の戦争アニメ「cocoon」、今夜放送
2025年8月25日(月)深夜11時45分より、NHK総合にて特集アニメ「cocoon~ある夏の少女たちより~」が放送されます。本作は、漫画家・今日マチ子によるコミックス『cocoon』を原作としており、2025年3月にNHK-BSで先行放送されて以来、多くの話題と共感を集めてきました。この度ついに地上波での本放送となり、戦後80年という節目に、改めて多くの人々に戦争の記憶と向き合う機会を提供します。
作品概要と物語
「cocoon~ある夏の少女たちより~」は、太平洋戦争末期の沖縄戦を背景とし、学徒動員された少女たちの目を通して「戦争とは何か」「生きるとは何か」を問いかける作品です。舞台は南の島「シマ」。シマ随一の女子校に通う少女・サンと、彼女の親友マユが、学徒隊として傷病兵の看護につく中で、過酷な現実と向き合いながら、それでも人生や日々の小さな希望を見出そうとする姿を描きます。
- サン:伊藤万理華
- マユ:満島ひかり
2人の少女の視点で表現される「痛み」や「恐怖」、友や家族への思い。そして、日常とかけ離れた戦時の中でも消えない小さな夢や想像の力。漫画『cocoon』はその繊細な感受性と圧倒的なリアリティで評価され、今回のアニメ版でも、「痛い」「怖い」といった身体的・心理的な感覚が丁寧に描かれています。
キャスト・スタッフ紹介
- 監督:伊奈透光
- 音楽:牛尾憲輔
- アニメーションプロデューサー:舘野仁美(NHK連続テレビ小説「なつぞら」作中アニメ監修)
- アニメーション制作:ササユリ(舘野仁美が代表)
サン役を務めるのは伊藤万理華さん。
アイドルグループ・乃木坂46卒業後も俳優・アーティストとして多方面で活躍してきた伊藤さんが、今作で戦争の悲惨さと少女たちの柔らかな心をどのように表現するのか、注目されています。また、マユ役は満島ひかりさん。実力派俳優2人が、戦時下を生きた少女たちの揺れ動く心の機微を声の演技で伝えます。
原作・今日マチ子が描いた「沖縄の戦争」
原作『cocoon』は2010年に単行本として発売され、著者・今日マチ子さんは沖縄戦における学徒隊、いわゆる「ひめゆり学徒隊」から着想を得ています。数字や資料だけでは伝わらない、少女たちの「生きる痛み」「喪失」「愛情」といった細やかな感情を重視し、戦争がもたらす「痛み」や「怖さ」も決して目を背けず描ききっているのが特徴です。
その思いを受け継ぐ本作のアニメ版でも、戦争の悲劇や無慈悲さ、加えて創造力と友情で命をつなぐ少女たちのたくましさが体現されています。制作現場では、原作へのリスペクトと、「戦争はもう二度と繰り返してはならない」という強い願いが込められているとのことです。
「戦争のリアル」をあえて描く意義
「cocoon」が多くの人々に衝撃と共感を与える理由のひとつは、「痛い」「怖い」といった過酷な現実から逃げない姿勢です。少女たちのささやかな願いや、日々の暮らしの断片の中に、読者・視聴者は自分自身を重ね合わせ、戦争が決して「特別な遠い出来事」ではなく、今を生きる私たちにも通じるテーマであることを実感できます。
- 戦争の悲しみだけでなく、友情や希望、想像力の大切さも描写
- 現代の視点から改めて「命」を考えるきっかけを与えてくれる作品
作品の中では、少女たちが傷つきながらも美しい自然と記憶、日常の断片を「つなげて」いく姿が印象的。犠牲や痛みだけではなく、「なぜ戦争が悲しいのか」という根源的な問いへのまなざしが、ストーリー全体を貫いています。
戦後80年、いま伝えたいメッセージ
今年は戦後80年という節目にあたります。しかし、時間が経つにつれ「戦争体験」を直接語れる世代は年々少なくなっています。この作品は、「あの時代にもし少女だったら何を思うか」「今の時代の私たちはどう受け止めるか」を改めて考えさせてくれます。
NHKでの地上波放送は、「過去」を「いま」の問題として捉え直すための貴重な機会となるでしょう。
伊藤万理華さんのコメント
サン役・伊藤万理華さんは、収録時の思いを以下のように語っています。
「原作と向き合いながら、当時の少女たちの心の奥底に芽生えた『怖さ』や『痛み』、それでも消えない『小さな愛おしさ』を大切に演じました。見る人が自分自身に重ね、感じ、考えていただけたら…そんな願いをこめています」。
地上波放送・配信情報
- 放送日時:2025年8月25日 23:45~24:46(全1話、NHK総合)
- NHKプラスにて放送後1週間、見逃し配信あり
まとめ:子どもも大人も心に響くアニメ体験を
「cocoon~ある夏の少女たちより~」は、家族や学校、社会において「命」「平和」「想像力」について考えるきっかけを与えてくれる作品です。
ひとりひとりが“もし自分だったら”という視点を大切に、戦争のリアルと向き合うこと。そのきっかけを作ってくれる本作が、今夜NHK総合で放送されます。ぜひ、ご家族やお子さんともご覧いただき、感想を語り合う時間を持ってみてはいかがでしょうか。