大阪・関西万博で広がる新たな観光体験と注目の最先端医療技術~2025年夏の現地ルポ~

大阪・関西万博2025――「いのち輝く未来社会のデザイン」への挑戦

2025年4月13日から10月13日まで、大阪市此花区・夢洲で開催されている「大阪・関西万博」は、いま日本で最も話題となっている国際イベントです。世界158カ国・地域、そして7つの国際機関が参加し、それぞれが自国の文化や最先端技術を表現するパビリオンを設営しています。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げ、未来を切り拓くさまざまな展示・体験が来場者を迎えます。

会場のメインとなるのは、最大級の木造建造物「大屋根リング」。このリング内外に、公式・民間・海外あわせて84館ものパビリオンが立ち並び、環状に配置された構造のおかげで、迷わず効率的に見学できる工夫が施されています。

全84パビリオン「制覇」に挑んだ来場者たち――感動と課題、攻略法を聞いた

今年の万博観光の大きな話題となっているのが、「全84パビリオンを制覇した来場者たち」の存在です。SNSを中心に話題となっている2人の来場者に注目し、どのように全館制覇を実現したのか、その攻略法をインタビュー形式でご紹介します。

  • 事前計画がカギ:すべてのパビリオンを巡るには、事前の下調べと効率的な回遊ルートが欠かせません。混雑が予想される人気館は朝一番で訪問し、比較的空いている館は午後にまわすなど、時間帯を考慮して計画を立てたそうです。
  • 予約の必要な館に注意:一部パビリオンでは事前予約や当日登録、先着順など入場方法が異なります。予約不要の館はスムーズに入れますが、人気館では予約しないと長時間待ちになるケースも。各パビリオンの公式情報を逐一チェックし、スマートフォンで素早く手続きすることが成功の秘訣とのこと。
  • 休憩と水分補給を重視:8月下旬の大阪は炎天下。熱中症を防ぐため、冷房の効いた休憩施設や給水所、飲食ブースも適宜活用し、体調管理を徹底していたのが印象的でした。

話を伺った2人が印象に残ったパビリオンは「大阪ヘルスケアパビリオン」です。ここでは、25年後の自分の姿をAIが推定しアバター化する「リボーン体験」が来場者に人気で、最先端の医療技術やヘルスケアの未来にふれることができたと語ってくれました。

一方で、「館ごとの滞在可能時間が短めに設定されている」「一部館での混雑緩和の工夫が今後の課題」など、現場ならではのリアルな課題も話題にあがりました。

編集者が体験!万博取材「リアルな持ち物」と炎天下対策

猛暑のなかで万博取材に臨む編集者が実際に持参したバッグの中身をご紹介します。現場体験からわかる、観光や取材の際に役立つ持ち物リストです。

  • 水筒・ペットボトル飲料
    給水ポイントでも補給可能ですが、熱中症予防のためこまめな水分補給が必須です。
  • 帽子・日傘・UVカットグッズ
    直射日光を避けるために必須アイテム。涼感タオルや携帯扇風機の携行もおすすめです。
  • 休憩用の折りたたみチェア
    混雑時や列待ちの時間に重宝します。
  • モバイルバッテリー
    館の情報検索や予約でスマホを多用するため、予備バッテリーがあると安心です。
  • 取材機材(カメラ、ICレコーダー、ノートPCなど)
    実際の編集者のバッグは5kgを超えたそうですが、軽量化と携行性も工夫のポイントでした。

強い日差しと高温多湿の大阪の夏。休憩をこまめに取り、健康第一で見学・取材を進めることが、快適な観光体験の秘訣です。

未来医療の現場最前線――「心筋シート」承認申請で再生医療に脚光

今大会の万博では、観光のみならず大阪ならではの最先端医療技術にも注目が集まっています。なかでも大きな話題となっているのが、「心筋シート」の新薬承認申請です。この技術は、心臓の筋肉細胞をシート状に生成し、心疾患の治療に応用する再生医療の革新的な手法です。

今回の万博を契機に、未来の医療や健康への取り組みが一層注目されるようになりました。大阪ヘルスケアパビリオンでも、こうした最先端技術に触れる体験や展示が行われており、医療関係者、一般来場者ともに関心を集めています。

さらに、地元企業や大学の研究者、ベンチャー企業によるシンポジウムやパネルディスカッションも随時開催されており、「健康寿命の延伸」や「誰もが安心して暮らせる未来社会」の実現に向けた国際的な議論が活発に交わされています。

大阪観光の最新トレンド――万博と周遊観光のススメ

万博の開催にあわせ、大阪の観光事情も大きく様変わりしています。従来の「食い倒れ」や「お笑い」「歴史遺産巡り」だけでなく、万博に訪れる来場者の多くが地元の商店街や最新ショッピングエリアへ足を延ばし、「パビリオンから街へ」広がる多層的な観光が生まれています。

  • 交通アクセスの進化:夢洲へは新設路線が開通し、都心部からのアクセスが大幅に改善されました。ICカード乗車券や英語案内表示など、海外観光客にもやさしい設計がなされています。
  • 地元グルメイベント:万博期間中は地元飲食店や生産者による特設フェアも開催され、期間限定メニューや新食材の発表会も連日盛況です。
  • サステナブル観光への取り組み:地球環境や地域共生への配慮として、再生エネルギーの活用やプラごみ削減プログラムも実施されており、観光客も参加できる仕組みが構築されています。

大阪観光の魅力は、「万博」という非日常と「日常」のまち歩き、そして未来を感じさせる多様な体験が融合している点にあります。大阪・関西万博の現地取材を通じて、観光都市・大阪が人々の「いのち」と「未来」をどう輝かせているか、その真価があらためて感じられました。

今後の観光体験の可能性と万博のレガシー

大阪・関西万博は、最先端の科学技術・文化・芸術にふれる場であると同時に、「大規模イベントにおける観光戦略」「未来社会へのヒント」「新しい暮らしのアイデア」が溢れています。万博がもたらす経験や価値が、次世代の観光都市づくりや社会イノベーションへつながっていく、そんな希望が現地にはありました。

2025年の夏、万博とともに進化する“大阪観光”で、あなたも新しい未来を体感してみてはいかがでしょうか。

参考元