福岡県ではしか感染拡大―若者から大人まで、感染力10倍の脅威と今後の注意点
福岡県内で「はしか」感染者が増加中 ― 8月だけで5人目
2025年8月、福岡県内で「はしか(麻しん)」の感染者が急増しています。県の発表によると、今月だけで5人目の感染が確認され、昨年1年間の感染者数1人を大きく上回る状況となりました。
最新の感染者は春日市在住の10代女性で、8月4日に発熱し、その後咳や発疹・鼻水などの症状が継続。複数の医療機関を受診後、17日に「はしか」と診断されました。女性は海外渡航歴がなく、ワクチンの接種歴も不明とされています。
- 8月4日:発熱(39℃)
- 継続する咳、発疹、鼻水
- 複数回医療機関を受診
- 8月17日:はしかと判明
- 海外渡航歴なし
- ワクチン接種歴は不明
県は感染可能期間中の行動歴を調査中で、不特定多数との接触があった施設が判明した場合、随時公表するとしています。はしかの症状が出た場合、事前に医療機関へ電話連絡し、公共交通機関の利用を控えるよう強く呼び掛けられています。
社会活動の中で感染拡大 ― 40代男性や乳幼児にも拡大
10代だけでなく、8月には福岡市の40代男性の感染も確認されています。この男性も海外渡航歴はなく、8月4日に発熱と体の発疹で医療機関を受診、検査で「はしか」感染が判明しました。
また、今月15日には生後0歳の乳児、および福岡市内でパチンコ店など不特定多数が利用する施設を利用した感染者が出ており、幅広い年齢層や生活の様々な場面で感染リスクが広がっています。
- 40代男性:8月4日発熱、複数の医療機関受診、感染経路不明
- 生後0歳の赤ちゃん:8月15日に感染確認
- 不特定多数が利用する施設で感染例あり(パチンコ店等)
県内では、パチンコ店や公共交通機関など、多くの人が行き交う場所で感染者が不特定多数と接触した可能性も指摘されており、注意が呼び掛けられています。
「はしか」の感染力と注意すべき症状
はしかは、インフルエンザの10倍の感染力を持ち、3~5日ほどの潜伏期間の後、39度以上の高熱や顔から体に拡がる発疹、咳、鼻水、目の充血が現れます。
- 高熱(39℃以上)
- 咳、鼻汁、発疹
- 目の充血や咽頭痛
特にワクチン未接種者や乳幼児、高齢者、慢性疾患患者は重症化しやすいため、早期の医療機関受診・隔離が重要です。
感染拡大の背景と県の呼びかけ
日本では2015年以降「はしか排除国」とされてきましたが、海外渡航だけでなく国内での感染例が増えており、集団免疫の低下が懸念されています。近年、ワクチン接種率の低下や、多忙などによる二期接種(2回目の予防接種)の未完了者が一定数存在すると指摘されています。
福岡県は以下の点を県民へ呼びかけています:
- 発熱や発疹など「はしか」が疑われる場合、必ず医療機関に事前連絡の上、速やかに受診
- 受診時は必ずマスクを着用
- 公共交通機関の利用は極力避ける
- ワクチン接種の状況を確認し、1回目・2回目の未接種の場合は速やかに接種する
不特定多数が集まる場所での感染例 ― 大分県のハーモニーランド事件
福岡県の事例と同様、大分県でも「はしか」患者がハーモニーランド(テーマパーク)を訪れる事例が確認されています。県は「当日施設を利用し、体調不良を感じた人は医療機関に相談を」と注意喚起しています。
このように不特定多数の人が集まるイベント会場や大型商業施設では、無症状の潜伏期間中の感染者による「二次感染」リスクもあり、さらなる注意が必要です。
全国的な感染リスク拡大と今後の対策
はしかは「空気感染」するため、接触歴がなくても感染する場合があります。福岡県に限らず、全国各地でも感染事例があり、今後さらなる感染拡大の恐れがあります。
感染の波が拡大する中、ワクチンの2回接種が最も有効な予防策です。不足分がある場合は速やかな接種や、母子手帳等での接種歴確認をおすすめします。症状が現れた場合は、速やかな隔離と医療機関への相談が重要です。
県民ができること ― 予防策と心構え
- 定期的なワクチン接種状況の確認
- 集団生活(学校や職場、イベント)での手洗い・マスク・消毒
- はしか疑い時の迅速な医療機関相談
- 自身や家族の体調変化に注意し、早めに受診する
- 普段からの免疫力維持、睡眠・バランスの良い食事
はしかは感染力が非常に強く、特にワクチン未接種層にリスクが高い感染症です。自分自身の健康を守るのはもちろん、周囲の大切な人を守るためにも、正しい知識と他者への配慮を心がけましょう。
最新情報や発生状況は、福岡県や各自治体の公式発表、医療機関からの情報をこまめに確認し、冷静な対応をお願いします。