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大腸がんを知ろう 〜最新の検査・治療・予後情報をやさしく解説〜

大腸がんは日本人に多いがんの一つであり、早期発見や適切な治療によって多くの方が回復・社会復帰を果たしています。この記事では、大腸がんの検査の流れや前日準備、直腸がんの主な治療法、そして大腸がんステージ別の余命について、医師監修の最新情報をもとにわかりやすくお届けします。

大腸がんとは?

  • 大腸の内側にできる悪性腫瘍(がん)です。
  • 日本国内のがん罹患数・死亡数は共に上位であり、中高年層を中心に多くの方が検診や治療を受けています。
  • 大腸がんは「結腸がん」と「直腸がん」に分けられます。

大腸カメラ(大腸内視鏡検査)ってどんな検査?

大腸カメラは、大腸の内側を直接観察できる非常に精度の高い検査です。がんやポリープなどの異常がないかを調べるほか、その場で組織を採取(生検)したり、小さなポリープは切除できます。
では、検査当日までどんな流れになるのでしょうか?

検査前日の準備とは?

  • 前日は検査食や消化の良い食事を心がける必要があります。食物繊維や脂っこい食事は控えましょう。
  • 夜に下剤を服用し、腸管をきれいにします。これがやや大変ですが、腸の中の便を十分に取り除くことが重要です。

検査当日の流れ

  • 医療機関にて、点滴や腸管洗浄剤の服用が続きます。腸の内容物が完全に排出されるまで繰り返す場合もあります。
  • 検査自体は肛門から細い内視鏡を挿入して腸の中を観察。苦痛が少ないよう鎮痛剤や鎮静剤を使うことが多いです。
  • 観察の質を高めるために、最近は8分以上の観察時間や、特に見逃しやすい右側結腸に重点を置くなど、厳密な基準が採用されています。

内視鏡検査の意義と最新技術

  • 通常の光観察に加えて、TXI観察法と呼ばれる画像強調技術が注目されています。これにより、平坦型病変(見つけにくいポリープ)も高確率で発見でき、早期発見による死亡率減少が期待されています。
  • 内視鏡検査は患者さんに一定の負担が伴いますが、腫瘍性病変の確実な発見には非常に有効な方法です。
  • 検査の精度を上げる新たな血液検査(Freenome検査)も登場し、将来的には負担の軽減が期待されていますが、現時点では大腸カメラが標準的検査です。

直腸がんの主な治療法とは?

直腸がんを含む大腸がんの治療法は、がんの進行度(ステージ)・患者さんの年齢や全身状態などを総合的に判断して選択されます。以下に代表的な治療法をやさしくご説明します。

直腸がんの治療法

  • 手術療法:最も基本的な治療法です。がんを含む直腸の一部、場合によってはリンパ節や周囲組織も含めて切除します。早期がんであれば内視鏡的切除も可能です。
  • 化学療法(抗がん剤治療):転移や再発リスクがある場合や手術が難しい進行例で用います。点滴や内服で行い、複数の薬剤を組み合わせる場合が多いです。
  • 放射線療法:特に直腸がんでは局所再発を防ぐ目的で手術前後に取り入れられることがあります。
  • 分子標的治療・免疫療法:遺伝子変異や腫瘍の特徴に応じて選ばれる最先端治療。全身状態や他の治療歴など、個別に検討されます。

近年は、術前に化学療法・放射線療法を併用し腫瘍を縮小させてから切除手術へ進む「集学的治療」も普及し副作用や合併症の軽減、予後の改善が期待されています。また臨床試験もさかんに行われており、標準治療の進歩が続いています。

大腸がんのステージ(病期)別の余命

大腸がんの「余命」は、治療を始める時点の進行度(ステージ)が最も重要な指標となります。ステージとは、がんの広がりや転移の有無によりI期からIV期に分類されます。ここでは目安となる生存率や特徴を紹介します。

大腸がんステージ別の特徴と余命

  • ステージI(早期がん)
    がんが大腸の粘膜や筋層までにとどまっている段階。
    5年生存率は90%以上と非常に高く、多くの場合、手術で根治が期待できます。
  • ステージII(粘膜下層や周囲組織に進展)
    リンパ節転移はなく、腸の壁の中までがんが進んだ状態。
    5年生存率は80%前後と比較的良好です。
  • ステージIII(リンパ節転移あり)
    リンパ節に転移が認められる段階。追加の抗がん剤治療など、再発防止策が必要です。
    5年生存率は60〜70%程度と言われます。
  • ステージIV(遠隔転移あり/進行がん)
    肝臓や肺等、他臓器に転移が認められた状態。
    治療の主軸は延命や症状緩和。
    5年生存率は20%未満ですが、近年は新しい薬剤や集学的治療で生存期間の延長例も増えています。

ステージは検査や手術の結果を元に細かく判定されます。治療選択や患者さんの体調、合併症などにもより予後には個人差が生まれますが、早期発見・早期治療が最重要だといえるでしょう。

なぜ大腸がんの検診や早期発見が大切なの?

  • 自覚症状がないまま進行しやすいのが大腸がんの特徴です。
  • 2024年度の新しい指針では、便潜血検査の有用性(グレードA)も再強調されています。
  • 異常が見つかった場合は精密検査(大腸カメラなど)をしっかり受けましょう。
  • 定期的な検診により、症状が現れる前に早期がんを発見できれば、治療の選択肢が広がり予後も大きく向上します。

まとめ:まず気軽に検診を!

大腸がんは定期的な検診と早期発見が何より大切です。少しでも違和感や家族歴など気になることがあれば、まずは医療機関の相談窓口を活用しましょう。
新しい内視鏡機器や血液検査技術も登場しており、今後も早期発見・治療成績のさらなる向上が期待されています。

よくある質問(FAQ)

  • Q:大腸カメラは痛いですか?
    A:
    ほとんどの医療機関で鎮静剤を使用するため、強い痛みを感じることは少なくなっています。ただし検査への不安は事前に相談しましょう。
  • Q:直腸がんと大腸がんは違うの?
    A:
    直腸がんは大腸がんの一部であり、主に肛門近くにできるがんを指します。治療法や予後は類似していますが、手術手技や放射線療法の適応など違いがあります。
  • Q:検診は何歳から推奨?
    A:
    40歳頃から定期的な便潜血検査が推奨されます。家族にがん経験者がいる場合は、より早期からの検診も検討しましょう。

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参考元