日産、中国新車販売が好調——EV「N7」が市場に旋風を巻き起こす

はじめに

2025年夏、中国自動車市場に驚きを持って迎えられているのが日産の最新電気自動車(EV)「N7」です。7月の新車販売台数が前年比21.8%増となり、特に「N7」が大きく貢献したことで、暗雲の立ち込めていた日系メーカーの巻き返しが鮮やかに体現されました。この記事では、なぜ今「N7」が中国でこれほどまでに人気となり、日産がどのような戦略で成功を収めているのか、また競合他社との状況や消費者からの評価にも焦点を当てて、分かりやすく解説します。

日産、7月の中国新車販売21%増の躍進

日産自動車は2025年7月の中国における新車販売台数が57,359台(前年同月比21.8%増)となり、市場関係者を驚かせました。この背景にあるのが秀逸なEV「N7」の台頭です。日系自動車メーカーとしては、トヨタも同時期に販売数がプラスとなった一方で、ホンダは減少傾向が続き、明暗が分かれる結果となりました。中国市場はEVの本格普及とともに競争が激化していますが、日産の「N7」は一線を画す成長を見せています。「N7」が中国の消費者にどのように受け入れられたのか、その要因を探ります。

「N7」——注目が集まる大型EVセダン

  • 全長5メートル級の新型セダン
    「N7」は全長約5mという堂々たるサイズ感を誇り、ファミリー層からビジネスユーザーまで幅広い層にマッチします。その大きさと高い居住性が都市部でも郊外でも評価されています。
  • テクノロジーとデザインの融合
    フロントマスクには左右一体型のデイタイムランニングライトが搭載され、下部には「フの字」型ヘッドライト、そして710個ものLEDセグメントによるディスプレイ表示が可能という、先進的なデザインが特徴です。
  • 使い易さと未来志向のコクピット
    あらゆる車内操作をタッチディスプレイに集約したインテリア設計となっており、中国のデジタルネイティブ世代からも高い評価を受けています。
  • 魅力的な価格設定
    11.99~14.99万元(約246.5万~308.1万円)で、高度な運転支援機能やスタイリッシュな装備を標準搭載。このコストパフォーマンスが消費者の心を掴みました。

驚きの販売記録——わずか12時間で1万台予約!

「N7」は2025年4月の予約開始から僅か12時間で1万台超の予約を記録し、6月上旬には累計2万台を突破するなど、異例のペースで受注が進みました。7月にはさらに6,455台を新規販売し、4月の665台、5月の3,034台、6月の6,189台と、3か月連続で前月記録を更新。また、合弁系のEV販売台数ランキングでもトヨタの「bZ3X」と共にワンツーフィニッシュを達成し、日系ブランドの存在感を大いに高めています。

なぜ「N7」が中国市場で受けたのか?

  • 現地の消費者ニーズを反映
    デジタル化、運転支援、省エネといった中国市場で重視される要素を徹底的に盛り込んだことが成功のカギとなりました。
  • 積極的な現地開発・合弁戦略
    日産が現地パートナーと協力し、中国市場に合わせた車両設計を行ったことが、新規ユーザー層の拡大につながりました。
  • 価格競争力と価値訴求
    先進的な機能を持ちながらエントリーレベルの価格帯に収めたことで、競合の中国EVメーカーとも十分に渡り合える条件を揃えました。

競合との動向:トヨタは増加、ホンダは減少

2025年7月、日産と共にトヨタも販売数プラスを維持し、中国専売EV「bZ3X」の成功が話題となりました。トヨタの2025年7月販売は6,834台で、日産と共に合弁系EVのリーダーとなりました。

一方で、ホンダは新車販売が前年同月比で減少。競争の激しさと、日系自動車メーカー間の「明暗」が鮮明に現れています。ホンダは今後の戦略転換が急務となるでしょう。

中国自動車市場の変化と日産の未来

中国市場は世界最大の自動車市場として、電動化とデジタル化が急速に進行しています。特に都市部の若い消費者層では価値観が劇的に変化し、低価格・高機能・先進テクノロジー重視の傾向が強まっています。
この新たな波に「N7」を投入した日産の先見性は業界でも高く評価され、既存の日系ブランドイメージに“革新”という新たな要素を付与しました。
日産は現地開発とパートナーシップの積極活用で、他の日本メーカーのモデルケースとなる可能性もあります。

利用者の声と市場評価

  • 「デジタル装備が本当に使いやすい。都市でも地方でもカッコよく乗れる!」(30代 男性)
  • 「この価格でこれだけの安全装備や広さがあるのは驚き!」(40代 女性)
  • 「多彩なLED演出とスマートコックピットで毎日の通勤が楽しい」(20代 男性)

ユーザー評価でも、従来の実用重視からデザインや使い勝手を重視する声が増加しています。これは日産が開発段階から現地ニーズを取り入れた成果だといえます。

まとめ:日産の逆襲と今後の展望

2025年7月、中国での日産の新車販売は大幅増となり、特に「N7」の好調が大きな原動力となりました。
先進テクノロジー、競争力ある価格、現地の消費者ニーズへの柔軟な対応——これらが複合的に功を奏し、“日系=古い”というイメージさえ一新しています。
今後も中国市場での電動車競争は激しさを増しますが、「N7」の成功は他のメーカーにも大きな示唆を与えるでしょう。日産がどのような次の一手を打ち出すのか、自動車業界だけでなく多くの産業関係者が注目しています。

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