自民党、両院議員総会で揺れる政権――「石破おろし」問題と首相辞職論の行方
2025年8月8日、自民党は国会内で両院議員総会を開催しました。この総会は、先の参議院選挙において歴史的な大敗を喫したことを受け、党としての対応策や政権の今後について話し合う、重大な節目となります。本記事では、両院議員総会で何が話し合われたのか、「石破おろし」問題、首相辞職要求の焦点、党内の退陣論の高まり、そして今後への影響について、わかりやすく解説します。
参院選大敗がもたらした自民党の危機感
2025年夏の参院選では自民党が歴史的な敗北を喫しました。その結果、党内外から『なぜここまで大きな敗北になったのか』、『現執行部、特に首相の責任は問われないのか』という声が高まりました。
今回の両院議員総会は、敗因の総括とともに、「今後、党がどのように立ち直るのか」という再生への道筋を問う場となりました。会場は大きな注目を集め、総会の模様はテレビやネットでもライブ配信されました。
「石破おろし」動向――沈静化は図れるのか
- 「石破おろし」とは、自民党内で影響力を持つ石破茂氏を、党運営や政権中枢から遠ざけようとする動きを指します。
- 一部の保守系議員は現時点でも石破氏の存在感や今後の党方針への介入を警戒しています。
- ただし、今回の総会では「石破おろし」そのものについて明確な結論や収束の兆しは見えていません。
むしろ、党内の一部からは、「石破氏のような多様な意見を封じるより、幅広い党内議論を認めて、再建を目指すべきだ」という声も出ています。しかし、保守派からは「党結束のためには石破おろしの動きも必要」との意見が根強く、沈静化できるかどうかは非常に不透明な状況です。
辞職要求の焦点――首相続投か、退陣か
今回の両院議員総会では、まさに現首相の辞職を求める声が大きなテーマとして浮上しました。特に「参院選大敗の責任を取るべき」という議員が増加し、「辞職要求」は総会議論の中心となりました。
- 主なポイントは「このまま首相が続投しても党の信頼回復はできない」とするグループと、「短期的なトップ交代はかえって党分裂のリスクが高まる」とするグループのせめぎ合いです。
- 現首相自身は「続投」の意欲を明言しており、辞任する考えは示していません。
- しかし、退陣論は収まっておらず、強硬派が辞職を求めて執行部への圧力を強めている状況です。
辞職要求に関しては、党執行部と反執行部勢力が激しく対立しており、意見の収束が見えません。その一方で、「長期的な党再生のためには、党首含め抜本的な体制見直しが必要だ」とする意見も一定数みられます。
党内の分裂リスクと結束への模索
総会の議論から浮かび上がってくるのは、現体制への不満と、結束への模索です。党内には大きく分けて以下のような立場が存在しています。
- 改革派: 参院選敗北は『現路線の限界』とし、党運営の抜本的改革と顔ぶれ刷新を訴えている。
- 保守派: 「長期安定政権の維持」の観点から、トップ交代には慎重姿勢。石破氏ら『異端児』を警戒し「石破おろし」に傾斜。
- 中間派: 党内対立の激化を懸念し、「丁寧な議論と漸進的改革」を主張。
これら多様な意見が噴出するなかで、党の機能不全や混乱を避けるため、「一定期間の暫定体制」「政策を優先した意見交換強化」など、いくつかの妥協案も話し合われています。
世論の動きと今後の展望
世論調査やメディアの論調を見ても、「自民党が抜本的に変わるべき」とする意見が多数を占めています。国民の政治不信は強く、「現体制での信頼回復は困難」との見方が広がっています。
- 民間調査では、「党首の即時交代」を望む声が増加。
- 一方で、「政策重視で冷静な党内議論を進めてほしい」という意見もある。
- 今後、総裁選の日程や、執行部刷新案など新たな展開が注目されています。
両院議員総会後も、自民党は結束の道を模索しながら困難な舵取りを余儀なくされているのが現状です。党の再建に向けて、開かれた議論と大胆な決断が求められています。
両院議員総会のまとめと今後の政治日程
- 2025年8月8日に両院議員総会が開催され、歴史的敗北の総括と党の再建が討議の中心となった。
- 「石破おろし」動向や首相の辞職要求論争など、党内の対立は深まっている。
- 現時点で明確な結論は得られておらず、党内調整が続く見通し。
- 次期総裁選や党改革の具体的なスケジュールが今後焦点となる。
自民党は今、「変化」か「現状維持」かの岐路に立たされています。両院議員総会での議論の行方が、党のみならず日本の政治情勢全体に大きく影響を与えることは間違いありません。国民の視線も厳しく注がれる中で、党としてどのように信頼を回復し、再び政権基盤を固めていくのか、今後の動きが注目されます。