SBI、国内初の「ビットコイン・リップル(XRP)ETF」上場へ ― 金融庁の制度検討で加速する暗号資産投資の新時代

仮想通貨ETF、その意義と日本での最新動向

2025年8月7日、日本の金融業界において歴史的な動きが見られました。SBIホールディングスは、ビットコイン(BTC)とリップル(XRP)を組み入れた国内初の暗号資産連動ETF(上場投資信託)を上場する計画を発表し、大きな注目を集めています。この背景には、金融庁による関連制度の検討進展があり、仮想通貨投資が一層身近になる転機が訪れています。

ETF(上場投資信託)とは?

ETFは「Exchange Traded Fund」の略で、様々な資産や指数に連動した投資商品を証券取引所で売買できる仕組みです。多様な資産への分散投資が手軽にできることから、世界中で急速に普及しています。特に米国市場では、ビットコインETFが上場されており、多くの投資家が利用しています。日本ではこれまで暗号資産を組み入れたETFは存在せず、仮想通貨ETF上場は長らく待望されてきました。

SBIによる国内初の仮想通貨ETF計画の内容

  • ビットコイン(BTC)とリップル(XRP)連動ETF:国内初となる両銘柄で構成されるETFを東京証券取引所などで上場する計画。
  • 金と暗号資産のハイブリッド型ETF:金ETFと暗号資産を組み合わせ、資産の51%を金、残り49%を暗号資産という独自構成でリスク分散を図る商品も準備。
  • 規制面への対応:金融庁が仮想通貨ETFの制度改正に着手したことで、上場実現への課題が整理されつつある。
  • リップル(XRP)やRLUSD(Ripple USD)の国内取り扱い計画:SBIは年度内に新しいステーブルコイン「RLUSD」も取り扱いを目指している。

これらの新商品は、機関投資家や個人投資家がより安全かつ多様な手法で仮想通貨市場に参加する道を提供します。

金融庁による制度検討と業界全体の潮流

国内で仮想通貨ETFが認可されるには、投資信託法や資金決済法など多くの規制調整が必要です。今年度、金融庁がこうした制度改正を公式に検討する方針を示したことで、SBIを筆頭とする大手金融機関は本格的な商品開発に乗り出しました。これにより日本でも、米国や香港などを追い越す形で金融インフラの高度化が進みつつあります。大阪取引所でも暗号資産関連デリバティブの上場検討が始まり、取引の幅が広がる予感が漂っています。

リップル(XRP)とRLUSD ― SBIグループの仮想通貨戦略の拡大

  • XRP(リップル):SBIグループは、リップル社との提携を進めてきた国内屈指の企業。今回のETFではXRPが公式に対象資産となります。
  • RLUSD(Ripple USD):リップル社が展開する米ドル連動のステーブルコイン。SBIは年度内の国内取扱いも発表し、安定的な資産運用の一手として期待されています。

XRPの日本市場での認知度は高く、送金や決済分野での実用も進みつつあります。RLUSDが加わることで、デジタル資産の新たな流動性や安定性を追求する投資家層の拡大が予想されます。

大阪取引所の「暗号資産デリバティブ」上場検討

SBIによるETF計画と並行して、大阪取引所も暗号資産デリバティブ(先物やオプション)の上場検討を本格化しています。これまでは海外取引所がほぼ独占していた分野でしたが、金融庁の動向をにらみつつ、日本の投資家が国内市場で仮想通貨関連デリバティブにアクセスできる道が開けつつあります。

「仮想通貨ETF」の登場がもたらす変化

  • 投資機会の拡大:従来は現物購入や海外取引所利用が中心だったが、ETFにより間接投資が可能となり、リスク分散がしやすくなる。
  • 機関投資家の参入:安定したルールの下で大口資金の流入が期待され、市場全体の厚みや流動性向上に寄与。
  • 国内市場の成熟化:大阪取引所の新商品や証券会社の取扱い拡大により、金融インフラの高度化が進む。
  • XRP・RLUSD利用の拡大:安価かつ迅速な送金手段としてXRP、安定資産としてRLUSDが広く使われる可能性。

今後の展望と課題

ETF上場は前進したものの、正式な認可手続きや運用開始までには規制側・事業者側ともに多くの調整が必要です。投資家保護のための商品構成や情報開示、流動性確保、市場監視体制などが問われています。
また、仮想通貨の価格変動リスクや世界的な規制動向も常にチェックが必要です。金融庁の制度改正が予定どおり進めば、今年度中にも実際の商品上場が実現する可能性が高まっています。

まとめ:日本における仮想通貨投資の新章が始まる

SBIによる「ビットコイン・XRP ETF」の国内上場計画は、日本の資産運用市場に革新をもたらす大きな一歩です。大阪取引所のデリバティブ検討やリップル社のRLUSD取り扱い計画も含め、「誰もが安心して参加できる暗号資産投資」の環境整備が加速しています。「資産運用の自由化と安定性向上」、そして「新たな金融サービスの誕生」に期待が膨らみます。

参考元