ダイキン工業、第1四半期は経常利益13%増、営業利益と純利益も増加し好調なスタート

2025年4月から6月にかけてのダイキン工業の2026年3月期第1四半期決算が発表されました。今回の決算では、経常利益が前年同期比13.0%増の1,189億円に達し、好調なスタートとなりました。営業利益は5.1%増の1,213億円、純利益は29.2%増の815億2,600万円と、いずれも大幅な増益を示しました。

業績のポイント:売上高はやや減少も利益率改善が顕著

売上高は前年同期比で3.0%減の1兆2,138億2,100万円となりましたが、利益面では営業利益率が前年同期の9.2%から10.0%に改善し、効率的な事業運営が進んでいることがうかがえます。経常利益の伸びにより、上期(4-9月期)に対する進捗率は51.5%を記録し、過去5年平均の49.3%を上回る水準です。

国内エアコン販売が好調、化学事業は一部減収

主要セグメントの中で、国内エアコン販売が好調で業績を押し上げています。一方で化学事業は売上高が3.7%減の599億4,600万円となり、営業利益も41.7%減少しました。特にフッ素ゴムの売上高は前年同期とほぼ横ばいで推移。米国や国内の需要は堅調に推移したものの、中国やアジア・欧州の自動車分野での需要回復が遅れていることが影響しました。

今後の見通しと経営戦略

通期の業績予想に関しては、売上高4兆8,400億円(前期比1.8%増)、営業利益4,350億円(同8.3%増)、経常利益4,050億円(同10.5%増)、純利益2,720億円(同2.7%増)を見込んでいます。この見通しは第1四半期の好調な利益進捗を踏まえたものであり、引き続き国内外市場での成長に期待がかかります。

キャッシュフローと配当について

営業活動によるキャッシュフローは前年同期比で大きく増加し4,266億円の収入となりました。投資活動および財務活動も積極的に行われており、現金及び現金同等物は四半期末で7,682億円に達しています。配当については、年間で1株当たり320円(前期比70円増)を予定しており、株主還元にも力を入れていることがうかがえます。

まとめ

  • 第1四半期の経常利益は1,189億円で前年同期比13.0%増。
  • 純利益は29.2%増の815億円で過去最高水準に近い増益。
  • 国内エアコン販売の好調が利益を押し上げ、営業利益率も改善。
  • 化学事業ではフッ素ゴムの需要回復が遅れる形で減収減益。
  • 通期は増収増益予想で安定成長を見込む。
  • 配当金の増加など株主還元も積極的に実施。

ダイキン工業は、この第1四半期決算で国内外の様々な市場環境の課題を乗り越えつつ利益を伸ばし、通期に向けて順調な滑り出しを示しました。引き続き環境に配慮した製品開発やグローバル戦略の推進が期待されます。

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