トヨタ自動車の株価動向と市場への影響:関税引き下げの期待で上昇傾向

2025年7月25日の米国株式市場は関税に対する懸念が緩和されたことで全体的に上昇し、その影響は日本株にも波及しています。トヨタ自動車の株価もこれを受けて関心が集まっています。

米国株市場の上昇と日本株への波及

米国の関税政策に関する懸念が和らぎ、株式市場は25日に上昇基調を示しました。この流れを受け、米国現地取引での日本株のADR(American Depositary Receipt)も売り優勢ではあるものの、全体的には堅調な動きを示しています。中でも、LINEヤフー、楽天グループ、キーエンスなどが好調な値動きを見せています。

トヨタ自動車の株価動向

2025年7月27日時点で、トヨタ自動車の証券アナリストのコンセンサスは「買い」とされ、平均目標株価は2,948円と現時点の株価から約5.77%の上昇余地が見込まれています。アナリスト内訳では、強気の「買い」が多数派を占めており、市場の期待がうかがえます。

一方で、2025年3月期決算によると、トヨタの営業収益は過去最高を更新したものの、自動車事業の営業利益が14.7%減少し、利益面では減益となりました。これは引き続き米国の関税政策や為替変動の外部環境が業績を左右していることを反映しています。

関税引き下げ合意による株価への好影響

直近の大きなトピックとして、日本とアメリカは自動車にかかる関税を従来の25%から15%に引き下げることで合意しました。これにより、自動車各社の利益減少幅が大きく縮小するとの期待が市場に広がっています。市場ではトヨタを含む自動車7社の合計で約1.6兆円もの利益押し上げ効果が試算されており、これは株価の支援材料となっています。

この関税引き下げに伴い、2025年7月23日には東京株式市場で自動車株が一斉に値上がりし、トヨタ自動車の時価総額は1日で5兆円以上増加しました。同様にマツダは約18%の値上がりでストップ高、ホンダも2025年の最高値を更新するなど、業界全体に強気の流れが生まれています。

配当の増配継続と株主還元策

トヨタは利益面では減益が続くものの、株主に対する還元策として2025年3月期の配当を15円増配し、一株あたり90円を予想しています。これで5期連続の増配となり、配当利回りは約3.35%となる見込みです。安定した配当方針は個人投資家にとって魅力的なポイントとなっています。

今後の見通し

次回の決算発表は2025年8月7日に予定されており、ここで新たな業績見通しや市場動向に関する情報が発表されるでしょう。株価は関税の引き下げ効果や為替状況、世界経済の動向など複数の要因で動くため注意が必要ですが、現状は関税緩和による利益押し上げ期待と継続する増配策が好材料となっています。

まとめ

  • 2025年7月25日の米国市場上昇が日本株にも波及し、トヨタ自動車の株価に好影響。
  • 日本と米国の関税合意により、自動車産業の利益減少幅が縮小、トヨタ株を含む業界全体で強気な値動き。
  • 2025年3月期の減益決算にも関わらず、増配を継続し株主還元に積極的な姿勢。
  • アナリスト評価は概ね「買い」で目標株価は約2,948円、株価上昇の期待感が強い。
  • 今後も為替や米国関税政策の動きを注視しつつ、8月の決算発表が注目される。

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