マーク・ハミル、俳優引退を考えた時期もあった『死のロングウォーク』がサンディエゴ・コミコンで注目集める

2025年7月27日、スティーヴン・キングの小説を原作とした映画『死のロングウォーク』(The Long Walk)が、サンディエゴ・コミコン(SDCC)にて新たな予告編と共に大きな話題を呼びました。出演のマーク・ハミルは、今作の出演を機に一時は俳優引退も考えていたことを明かし、業界内外からの関心が高まっています。

「俳優としてのモチベーションが低下していた」マーク・ハミルの告白

ルーク・スカイウォーカー役で世界的に知られる俳優マーク・ハミルは、今回の映画出演にあたり、「実は『死のロングウォーク』の仕事を受ける前に、俳優業からの引退を真剣に考えた」と語りました。「代理人に対して『もうモチベーションが湧かない』と伝えたんです」と明かし、その後本作の出演を決めたことで再び演技への情熱を取り戻したと述べています。

『死のロングウォーク』とはどんな作品か

『死のロングウォーク』は、スティーヴン・キングが1979年にリチャード・バックマン名義で発表した小説が原作です。近未来のアメリカを舞台に、毎年開催される「ロングウォーク」という過酷な競技を描いています。ルールは単純で、参加者である少年たちがひたすら南へ歩き続け、歩行速度が時速4マイル(約6.4キロ)を下回ると警告が入り、3度目の警告を受けると射殺されます。最後の1人が生き残るまで続く極限のサバイバルストーリーです。

物語は、参加者同士の友情や嫉妬、精神的・肉体的苦痛を克服しながら、生と死の間で揺れ動く少年たちの姿を通じて、過酷な競争社会の残酷さや人間の極限状態を描いています。

サンディエゴ・コミコンでの新予告編とパネルディスカッション

2025年7月のサンディエゴ・コミコンでは、本作の新たな予告編が公開されました。映像には、登場人物たちが互いに励まし合いながらも、一人また一人と命を落としていく緊迫したシーンが収められており、観客を強く引き込む迫力のある内容です。

また、SDCCのパネルでは監督のフランシス・ローレンス(代表作:『ハンガー・ゲーム』シリーズ、『コンスタンティン』)や主要キャストのクーパー・ホフマン、デヴィッド・ジョンソン、そしてマーク・ハミルが参加し、作品への情熱や撮影秘話を語りました。

豪華キャストによる期待の新作

マーク・ハミルのほか、『リコリス・ピザ』のクーパー・ホフマンや、『エイリアン:ロムルス』のデヴィッド・ジョンソンなど若手実力派俳優が出演。映画は2025年9月12日にアメリカで公開予定で、日本公開日は未定ですが、多くのホラーファン、キングファンから注目されています。

『死のロングウォーク』が描く「variety」(多様性)の視点

今回の作品が話題を呼んでいる背景の一つに、多様なキャラクターたちが織り成す人間模様があります。参加者たちは出自や性格、価値観に差があり、それぞれが異なる理由で過酷な競技に挑みます。こうした「variety(多様性)」の描写が、単なるホラー・サバイバルを超えた人間ドラマとしての深みを与え、観る者に強い印象を残しています。

作品の意義と俳優業の再出発

マーク・ハミルは、「この作品を通じて、表現者としての新たな一歩が踏み出せた」と語り、かつての俳優活動への思いと決別し、再び強い意欲で挑戦を続ける姿勢を示しました。彼の人生の節目ともいえるタイミングでの出演が、作品の持つ緊張感やドラマ性を増幅させていると言えます。

今後も『死のロングウォーク』は、伝説的ホラー作家の世界観を現代映像化した期待作として、多くの映画ファンの注目を集めることでしょう。

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