近畿大学が「英検デジタル証明書」を2026年度入試から導入、電子出願でより便利に

2025年7月26日、近畿大学(所在地:大阪府東大阪市)は、英検(実用英語技能検定)のデジタル証明書を利用した「大学入試出願連携サービス」を、2026年度入試(令和8年度入学試験)から導入することを発表しました。このサービスは、従来の紙による証明書提出から、ウェブ上で完結するデジタル証明書の提出へと大きく転換するものです。デジタル化によって、出願手続きがより簡単・迅速になるだけでなく、受験生の負担も軽減されることが期待されています。

なぜ今、デジタル証明書が導入されるのか

近畿大学はこれまでも、大学入試において英検資格を積極的に活用してきました。今回の導入決定の背景には、英検協会が掲げる「出願締め切り直前まで英検に挑戦できる環境づくり」と「デジタル証明書による出願手続きの利便性向上」という2つの大きな目的がありました。これにより、受験生は今までよりも柔軟に、かつ最新の英語力で出願できるようになります。

受験生にとってのメリット

  • 出願直前までチャレンジできる
    従来の紙の証明書では、英検の合格発表後、証明書が郵送で届くまでに時間がかかっていました。しかし、デジタル証明書は英検のウェブ合否閲覧日の当日から利用可能なため、取得した当日にそのまま出願に活用できます。つまり、出願締切直前に英検を受験し、より高い級やスコアを目指すことが可能です。
  • 手間とコストの大幅削減
    紙の証明書では、再発行や郵送に費用と時間がかかっていましたが、デジタル証明書はウェブ上で即時に取得・提出ができ、こうした手間やコストが不要となります。
  • 提出後の確認も簡単
    デジタル証明書は管理がしやすく、提出後の確認も簡単に行える新しい機能も追加されています。

どうやって利用するの?

具体的な利用方法や、どの入試方式・学部で英検資格が使えるかについては、近畿大学の「令和8年度入学試験要項」(9月上旬発行予定)で詳しく案内される予定です。デジタル証明書は、受験者の「生涯学習アカウント」(英検協会のマイページ)から利用でき、2018年度以降に受験した方は対象となります。

共通テストも「電子出願」へ――スマホでできる大学入試の新時代

なお、今回の近畿大学の取り組みは、日本の大学入試全体のデジタル化・効率化の流れとも連動しています。2026年度からは、大学入学共通テスト(通称:共通テスト)の出願も、専用の出願サイトとマイページ機能を活用した「電子出願」へ移行します。志願者は、自分のマイページを作成し、パソコンやスマートフォンから出願手続きを進めることができます。

電子出願は、「スマホからできる」と謳われるように、従来の紙ベースや郵送による手続きと比べて、時間や場所を問わず、より簡単に出願できるのが特徴です。このように、受験生の利便性を重視した改革が進められています。

今後の展開と受験生へのメッセージ

近畿大学の英検デジタル証明書導入は、今後他大学にも順次拡大される見通しです。英検協会では、デジタル証明書が従来の紙の証明書と同様に公式な証明として認められることや、より安全・便利に利用できるようサービスを拡充していることを示しています。

受験生の皆さんは、今後ますます進む大学入試のデジタル化に備え、早めに英検協会の「生涯学習アカウント」を登録しておくことをおすすめします。また、志望校の入試要項をこまめにチェックし、デジタル証明書の活用方法や電子出願の流れをしっかりと確認しておきましょう。

まとめ

近畿大学の英検デジタル証明書「大学入試出願連携サービス」は、受験生の英語力証明と出願手続きの大幅な利便性向上を目指した大きな一歩です。電子出願をはじめとする大学入試のデジタル化は、すべての受験生にとってより簡単で、スピーディーな入試を実現するものです。今後もこうした取り組みは全国の大学に広がっていくことが予想され、大学入試の現場は大きく変わりつつあります。

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