早稲田大学の公開講座で大人の学びが盛り上がる

2025年夏、早稲田大学が実施する「大人のための大学公開講座」が話題を呼んでいます。大学で学ぶという場を、学生だけに限定せず、社会人や定年後の方々を対象に開放し、「生涯学習」の重要性を改めて示しています。2019年から継続している早稲田大学エクステンションセンターの取り組みは、令和5年度には延べ約2万9000人もの受講者を数え、多様な世代が大学での学びを経験しています。

公開講座の特徴とラインナップ

早稲田大学の公開講座は、文学、歴史、芸術、現代社会学など、9つの多彩なジャンルから成り立っており、年間約1800講座が提供されています。例年特に注目を集めるのは、「仏教聖典の核心を読み解く」や「巨大都市江戸の娯楽遊芸誌考」など、専門性が高くかつ興味深いテーマです。講座は主に早稲田校と中野校キャンパスで開かれ、一般の方が自由に申込めるスタイルです。

受講のハードルが低い自由な参加形態

この公開講座の大きな魅力は、受講にあたり学歴や年齢の制限がないことです。誰もが知的好奇心を満たせるよう、気軽に参加しやすい環境が整えられています。例えば、早稲田大学エクステンションセンター中野校の講座では「人生の最期」を考えるというテーマの講義が開講されており、7月31日から9月4日まで開催されます。受講料は13,662円で、申込締切は7月30日となっています。

社会人にとっての「大学での再出発」

公開講座や履修証明プログラムは、一般的に大学に正規入学しない学生も参加できる制度です。早稲田大学では2022年度より「Life Redesign College」というプログラムが始まり、人生100年時代を見据えて50歳以上を対象に“自分らしいこれからの生き方の再設計”をテーマに講義が行われています。これにより、定年後や仕事を退いた後も学び続ける機会が拡がっています。

また、人気ベストセラー『定年後』の著者も、こうした公開講座の魅力や「社会人入学」という生涯学び続ける楽しみ方を提唱。大学は単なる若者の通う場所ではなく、大人になってからの「学びの場」としての重要な役割を果たしていることがわかります。

申込方法と講座の利用法

  • 公開講座の申込開始は5月9日から、早稲田エクステンションセンターのウェブサイトや電話、窓口での受付が可能です。
  • 早稲田大学オープンカレッジでは会員制度もあり、入会金8,000円で各種特典を受けることができます。
  • 日程は7月24日から9月までと夏期中心に集中しており、受講料や入学金は講座によって異なりますが、おおよそ1万円から2万円程度が多いです。

早稲田大学が目指す「社会と地域に開かれた大学」

早稲田大学は、公開講座を通じて大学の学問的資源を多くの人に還元し、学びの場としての敷居を低く設定しています。これは明治大学や東京藝術大学といった他大学の公開講座とも共通した取り組みです。長年にわたり継続されているこの「オープンカレッジ」の伝統は、教育機会の拡大という意味で高く評価されています。

特に、昨今の高齢化社会や多様化する働き方の中で、早稲田大学のような著名校が社会人向けの教育プログラムを充実させることは、個人のスキルアップや自立に資するだけでなく、地域社会や日本全体の活性化にも寄与しています。

まとめ

2025年の夏期、早稲田大学が提供する公開講座は、単なる趣味や教養の場にとどまらず、人生後半の再スタートを応援する重要な学びの機会となっています。どなたでも参加できることから、これからの時代の「大学のあり方」と「学びの新しい形」を象徴する存在と言えるでしょう。受講を検討される方は、早めの申込をおすすめします。

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