参政党、神奈川新聞記者・石橋学氏の記者会見排除問題で波紋拡大

2025年7月22日、参議院議員会館で行われた参政党の定例記者会見において、神奈川新聞の記者・石橋学氏が取材を拒否され排除されたことを発端に、報道の自由をめぐる大きな議論が起きています。

問題の経緯と参政党の対応

参政党は参院選で14議席を獲得し躍進したことから、今回の会見は参院選の総括と今後の方針発表を目的としていました。しかし石橋記者は、当日会場に入ったところ、参政党のスタッフから「事前登録がない」として退席を求められました。石橋記者が抗議したところ、スタッフは「とにかく駄目」「主催者権限がある」と強硬な態度を示し、最終的に警備を呼んで排除しました。

参政党側はその後、事後に取材拒否の理由を「会見の混乱が生じるおそれ」と説明していますが、この説明について神奈川新聞は「二重、三重に論理的誤りがある」とし、強く反論しています。

新聞労連の特別決議と抗議

この一連の出来事を受け、新聞労連は2025年7月25日に特別決議を発表し、参政党による神奈川新聞記者の記者会見排除を「報道の自由への重大な侵害」と断じました。決議文では、参政党の行為が「報道の萎縮を狙った圧力」であり、市民の「知る権利」を著しく損ねていると指摘されています。

石橋記者が質問し、記事を執筆する基本的な権利が奪われたことは許されず、同様の排除行為の再発防止を強く求める内容となっています。

メディアの選別問題と参政党の姿勢

専門家やメディアの間では、今回の参政党による特定記者排除は、米国トランプ元大統領に見られた「メディア選別」の手法を日本にも持ち込もうとしているのではないかとの懸念が広がっています。報道機関が公正に取材できる環境を保証することは民主主義の根幹であり、政治団体による記者排除は危険な前例とされています。

神奈川新聞の強い抗議声明

神奈川新聞社は2025年7月25日に、参政党の排除を正当化する論拠に「誤りが多い」として、党の説明を否定。佐藤奇平統合編集局長名義で声明を発表し、「メディアの選別は許されない」と厳しく批判しました。

今後の展望

今回の事態は、政治団体とメディアの関係に一石を投じるものとなっています。新聞労連は再発防止や報道の自由擁護のための強力な警鐘として対応しており、国民の知る権利を守る意味でも社会的な注目が続いています。

報道の自由をめぐる議論は今後も注視が必要であり、政治団体による記者排除の動きが他でも起きないか関係者の緊張感は高まっています。

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