台湾史上最大規模「大罷免」投票、7月26日に実施

2025年7月26日、台湾で歴史上最大規模の「大罷免(だいばいめん)」投票が実施されました。この大罷免は、国民党所属の24人の立法委員(日本でいう国会議員)と新竹市長高虹安氏を対象に行われ、全国で同時に大規模な罷免決議が問われる異例の事態となりました。投票時間は午前8時から午後4時までで、その後すぐに開票が始まりました。

罷免の背景と制度

台湾では「公職人員選挙及罷免法」に基づき、有権者が選んだ公職者に対して罷免請求ができます。罷免成立には2つの条件が必要です。1つは同意票が選挙人総数の25%以上であること、もう1つは同意票が反対票を上回ることです。これらの条件を満たせば罷免は成立し、対象者は即時に職を失います。罷免が成立した場合、3か月以内に補欠選挙が行われます。一方、罷免案が否決された選挙区では、同じ議員に対する再度の罷免請求は認められません。

注目の立法委員と結果の速報

今回の大罷免では、特に国民党所属の傅崐萁(フー・クンチー)、徐巧芯(シュー・チャオシン)、王鴻薇(ワン・ホンウェイ)らが焦点となりました。これらの議員は多くの有権者から署名を集められ、罷免請求の標的となった背景があります。また新竹市長の高虹安氏も対象となり、政治的にも大きく注目されています。

投票終了後、中央選挙委員会は即座に開票作業に入り、各選挙区の投票率や罷免の賛否状況をリアルタイムで公開しました。現時点では一部の投票区で罷免成立の結果が判明しており、国会の勢力図を変更する可能性がありますが、正式な最終結果は8月1日に発表される予定です。

各立法委員の罷免動向(抜粋)

  • 傅崐萁:国民党所属、罷免の賛否に大きな注目が集まる。
  • 徐巧芯:同じく国民党で、複数の罷免請求が出された。
  • 王鴻薇:こちらも国民党メンバー、投票結果が政治的波紋を呼ぶ。
  • 高虹安:民衆党所属の新竹市長、罷免結果次第で地域政局に影響。

投票率と選挙区状況

今回の大罷免は広範囲にわたるため、各地の投票率も注目されています。基隆市、台北市、新北市、桃園市、新竹市、台中市、雲林県、花蓮県、台東県など多くの市町村で投票が実施されましたが、詳細な投票率の公表はまだ一部にとどまっています。投票率は今後の罷免成立の可否や台湾の民主主義の活発度を示す重要な指標となります。

大罷免の影響と今後の展望

台湾における今回の「大罷免」は、単なる個別議員の政治生命の問題にとどまらず、国会の力関係や政党間のパワーバランスに大きな影響を及ぼすことが予測されます。罷免が成立すると当該議員は即時失職となり、補欠選挙が実施されるため、国会の構成が一変する可能性もあります。これにより台湾の政治情勢に新たな変化が生じることは間違いありません。

また今回の動きを契機に、有権者の政治参加意識の高まりや、政治家の説明責任がより強調されることが期待されています。その一方で、罷免の乱用や政治的対立の激化を懸念する声もあり、今後の政治運営に慎重な対応が求められています。

まとめ

2025年7月26日に実施された台湾の「大罷免」は、台湾民主主義の成熟度を示す重要な政治イベントとなりました。国民党の有力立法委員たちが罷免の審判にさらされ、新竹市長も対象となるなど、そのスケールと影響の大きさは過去に例を見ません。今後の正式結果発表と補欠選挙の行方が注目されます。

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