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あの店もこの店も…実はみんな“彫盛Tシャツ”! オリジナルの楽しさを教えてくれる西湘のTシャツ屋さん

2016.02.10 | 出展店舗
あの店もこの店も…実はみんな“彫盛Tシャツ”! オリジナルの楽しさを教えてくれる西湘のTシャツ屋さん

「えっ、冬なのにTシャツ!?」なんて言わないでください。大磯市では、冬もアウターを脱ぐとTシャツを着用している出店者さんが多数いるんです。その訳は、どれもその店オリジナルの一点ものだから。オリジナルTシャツの魅力にハマると、冬でも手放せなくなってしまうんですね。

大磯市に、そんな“Tシャツブーム”を巻き起こしているのは、約2年前から出店しているTシャツ屋さん「大磯 彫盛ーholymolyー」。大磯の灯台や波をモチーフにした和テイストのTシャツは老若男女問わず人気で、大磯市の会場ではこの“彫盛Tシャツ”を着て歩く人の姿も見かけます。このTシャツ、実は一つひとつ、手作業でカッティングした版から手作業でプリントするという手の込んだ作業の賜物なのだとか。

寒さに負けず今月も出店予定の「大磯 彫盛ーholymolyー」店主・サトウタカシさんに、Tシャツ作りに込めた想いを聞きました。

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小学生から続く、長〜い趣味

僕がTシャツを作り始めたのは、実は小学校3年生か4年生くらいのときでした。フェルトで自分のイニシャルを切り抜いて縫い付けて…みたいなことをやっていて。絵を描くのも好きだったんですが、もともとオリジナル志向が強いんでしょうね。「あんた、それ着るの?」って母親に怒られながらも、楽しくて作り続けていました。

その後も、中学、高校と、いろいろな手法で試行錯誤しながら、数は少ないですが時々Tシャツを作っていました。デザインの専門学校に通い始めた頃からは、仲間とライブに行くためにお揃いのTシャツを作ったりもして、だんだん数も増えていって。その頃はまだMacもなかったので、コピー紙を切り貼りしながら版を作り、アイロンプリントで印刷していました。2〜3回洗ったらボロボロになって、すぐ着られなくなっちゃうようなものでしたが、20歳の頃にようやく形になり始めた、という感じでしたね。

卒業して、印刷会社のデザイン課に入ってからは、仲間にもTシャツ好きな人たちがいたので、シルクスクリーン(現在一般的なTシャツ屋さんでつかわれている手法)なんかを覚え始めて。会社に入ってからMacも使うようになったので、徐々にデジタルで自分のイメージを描けるようになり、ますます面白くなっていきました。その後転職した会社には、カッティングマシンなどの機械があって、ぼくにとってはお宝の山という感じ。捨ててしまうカッティングシートの端材なんかを版に使って、仕事の合間に仲間とTシャツを作って遊んでいました。

8年ほど前にその会社がなくなってしまい今の仕事に就いたんですが、それを機に、当然のことながら今まで傍にあった機械や素材が全く使えなくなりました。それでも作りたくて、そこから試行錯誤の“修行”がはじまりました。カッティングマシンがないので、カッターで手切りしてみたり、カッティングシートの代わりに色々な素材で試してみたり…。失敗を繰り返していた頃に出会ったのが、型抜手打印刷という手法でした。パソコンでデザインを出力した紙をアクリルシートの下に置けば、なぞるように切れるし、洗えば繰り返しプリントできる。この技法を見つけたときは「世界で初めての発明だ!」と思ったんですが、調べたら実は世の中にいっぱいあったんですよね。思考回路的には完全に僕のオリジナルだったんですが、「あぁ、ステンシルって言うのね」みたいな(笑)。

そんなわけで、オリジナルとは言えないですが、それ以来、ずっとステンシルの技法を使いながら、一つひとつ、手切りと手染めで作り続けています。

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アクリルシートをカッターで丁寧に切り取った版。2周年の集大成として作成した右のデザインは、カッティングに2ヶ月もかかったのだとか。

 

オリジナルの楽しさを伝えたい

僕にとってTシャツづくりは、作品というよりは“コミュニケーションツール”なんです。ずーっと、長い趣味みたいなもので、売ろうなんて思っていなくて、基本的に自分が着たいものだけを作っていました。あとはたまに誰かにプレゼントするために。良くやっていたのは、相手の特徴とかニックネームとかをデザインした一点ものを贈ること。作ったことで会話が生まれたり、つながったりするのが楽しくて。大変だけど、楽しいからいいなって。これは今でも続いていますね。

だから僕自身に、いわゆる“作家性”は薄いと思っています。デザイナー時代からの癖かもしれませんが、自分でゼロから作るよりも、相手の希望を叶えたりするのが得意ですね。「ポリシーがない」とも言えばそうなのですが、ロゴとかイラストとか、既にある素材を合わせてつくる。言わば、冷蔵庫の中にあるものでチャーハンを作るような感覚ですよね。今は、「大磯」という材料をお客さんの層に合わせて料理していますし、わざわざ買い物に行くんじゃなくて、ある材料でつくる。単に絵が下手でオリジナルが作れないだけなんですけど(笑)。明らかに、そこが作家さんとは違うんです。

そんな僕のこだわりは、デザインではデジタルも使うけど、「最後はアナログで落としこむ」ということ。業者に頼めばシルクスクリーンやTシャツ用のインクジェットプリンターを使って作れるんですけど、そうではなく、一つひとつ手で染めています。版の上からTシャツ用のインクを筆でポンポンと押し付けるようにするので、手も疲れますし、大きいものだと染めるだけで一着に20〜30分くらいかかっちゃうこともあります。それをドライヤーで乾かしてアイロンで仕上げるんですが、手作業なので、よく見てもらうとムラもあって、正確に言うと、一個一個全部違うものができあがっています。

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手作業にこだわるのは、やっぱり自分で作ると思い入れが乗っかるから。友人の娘さんは、自分のイラストを自分で印刷して作ったTシャツをすごく大切に着ていたそうです。誰でも、潜在的にオリジナルが好きな気持ちを持っていると思うし、それに「自分で」という体験がプラスされると、思い出も含めて、そのものに宿るんですよね。 そういう気持ちを多くの人に感じてもらいたい。去年は、12〜3人ほどの仲間を集めてTシャツづくりのワークショップをして、お揃いを着てフェスに参加しましたが、それぞれに個性が出ていてすごく面白かった。これからは、子ども向けのTシャツづくりのワークショップなんかもやって、オリジナルの楽しさを多くの人に味わってもらえたらな、と思っています。

 

Tシャツづくりを、何かに還元できる活動に

僕は大磯町外に住んでいるのですが、大磯市のことは、職場の仲間から聞いて、2年半ほど前の夏に初めて訪れました。仕事終わりにお客さんとして見に行ったら、一軒だけTシャツを売っている店があったんですよ。僕はそれまで販売することなんて全く考えていなかったんですが、それを見て仲間に「出しても平気かな?」って聞いたら、みんな無責任に「大丈夫、大丈夫!」って適当に(笑)背中を押してくれました。意を決して翌月2013年9月に初めて登録したら、雨で中止。10月も雨。初出店は11月になってしまって、もう寒い季節で、さっぱり売れなかったです(涙)。

でも、鳴かず飛ばずでも出店を続けていたら、出店者さんから「うちのTシャツ作ってくれない?」とお声がけをいただけるようになりました。最初の頃、けむりカレーさんから注文いただき、それを見たNomadic Caféさんが「僕も作りたい」と言ってくれて……。そこから、ぴぃちゃんちダ・フィオーリAlfieri caféと、どんどんつながっていって、これまでに作った出店者さん等のスタッフTシャツは、全26店舗になりました。

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彫盛Tシャツを着た出店者が集合!左から、ぴぃちゃんち、Nomadic Café、けむりカレーの店主

 

だから今の売り上げは、出店者さんからのオーダーでなんとかまかなえている感じですね。やっぱりみんなオリジナルをつくりたい気持ちはあるけど、少数でオーダーすると高くなっちゃう。そんな中、うちは3着だけでも「1着2,000〜2,500円でOK!」という感じでやるので、それがいい隙間産業だったのかもしれません。当然、手間がかかってあまり儲かりませんが(笑)、Tシャツって、着て表に出てもらうことがライブ感につながるんですよね。つくっている段階は、あくまでレコーディングというか、着てもらってなんぼの世界。大磯市でみんなが僕のTシャツを着てくれているのを見ると、やっぱりおぉ〜って、うれしくなります。お客さんも気に入って買ってくれて、後日「着てきましたよ!」って遊びに来てくれる人がいて、それがすごく面白い。

売上には波がありますが、大磯市帰りにビールを買えるぐらいには何とかなっているので、良しとしています(笑)。それ以上に、こうやっていろんな人と知り合えるのが面白い。僕にとって一番のモチベーションは、やっぱり“人”なんですよね。大磯市をきっかけに、二宮の「たびするくま」というマルシェにも誘っていただいて、そちらでもオリジナルのTシャツを作ったりしているんです。西湘エリアでいろいろ活動できて楽しいですよ。

これから力を入れていきたいのは、Tシャツ作りを、何かに還元できる活動にすること。その1つが、サンドブラスト作家のフェリシテさんとのコラボレーションTシャツです。大磯市初出店のときに意気投合して、フェリシテさんの描く犬のイラストをTシャツにして販売して、売上の一部を保護犬の団体に寄付しています。自分の飼っている犬のイラストにすることもできるので、お客さんにも喜んでいただいています。また、今年は左義長寄合プロジェクトにも参加して、オリジナルTシャツを販売します。地元愛の強い大磯の人たちにはいつも助けてもらっているので、僕も大磯のまちに還元していきたいな、と思います。

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左義長寄合プロジェクト向けに作ったオリジナルTシャツ(左)。1枚につき500円が左義長に寄付されます。

 

いろいろ言いましたが、まあ結局、ノリで出店して、仲間に助けられながらいつの間にか2年経ったって感じです。僕自身、出店者としてだけではなくお客さんとしても大磯市を楽しんでいますし、寒い季節は「ホッカイロ2,000円・Tシャツ付き」なんて遊びながら出店しています。周囲からは、「本業にしちゃえ」なんて囁きも聞こえてきますが、無理です。食えないです(笑)。僕にとっては、今の仕事とのバランスが一番いい感じ。これからも、実行委員会に怒られる直前までふざけ続けていこうかな、と(笑)。

今月も、新作を持って行く予定です。もちろんホッカイロも付いてきます。冷やかしでもいいので、遊びに来てくださいね!

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店主のサトウタカシさん。手に持っているのは、売り上げの一部が保護犬団体に寄付される、フェリシテとのコラボTシャツ。

 

【大磯 彫盛ーholymolyー】

平塚出身・二宮在住のサトウタカシさんが一つひとつ、手作業でつくるTシャツ屋。大磯市、たびするくま(二宮)での出店販売ほか、オンラインストアでの販売、オーダーも受付中。

Facebookページ https://www.facebook.com/holymolycom/

ホームページ(オンラインストア) http://www.ttrinity.jp/shop/holymoly/

池田 美砂子

茅ヶ崎在住フリーライター、ひとりの娘のお母さん。人の言葉をありのままに聞くことで本質を見つめるインタビューを、ライフワークとしています。使命は、「ほしい未来を自分の手でつくる人を増やす」こと。この世にもっと、ワクワクを。