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“人に会う”ために編み続ける。異素材と無限の色が織りなす「SUSU」のアクセサリー

2015.07.18 | 出展店舗
“人に会う”ために編み続ける。異素材と無限の色が織りなす「SUSU」のアクセサリー

一つひとつ、微妙に異なる青や緑。独特の配色が施されたピアスやブレスレットで、ファンを魅了し続けている「SUSU(スス)」。大磯市でもすっかりお馴染みとなったアクセサリー&小物ブランドです。

繊細なつくりが印象的ですが、実はこれ、全て糸や毛糸をつかって「編む」ことによって作られています。そして手に取ると、驚くほど軽く、やわらかい。

大磯出身の川崎幸梢さんが子どもの頃に見た景色、妊娠・出産の経験、そして、今の3人のお子さんとの暮らしの中で感じている想い。そのすべてが編み込まれた「SUSU」のアクセサリー。川崎さんに、ものづくりに込めた想いを聞きました。

 

“写経”のように編んでいます

もともとは食の仕事をしていたんですが、妊娠したことがきっかけで仕事を辞めました。双子だったこともあり、安静期間も長くて、家にいる時間が増えて。でも何かしたくて仕方なくて、家で何かできること、と思いついたのが編み物でした。といっても、妊婦さんが赤ちゃんのためにつくる典型的な感じで、売るなんて全く考えずにつくり始めたんです。

でも、編み図はわからないし、夏で暑かったこともあって、編み物はすぐ辞めてしまいました。そんなとき、麻の紐を編んでつくるバッグの本を見つけて、これなら自分も使える、と思って妊娠中にいくつかつくりました。でも、つくるのは楽しかったんですが、すごく力が要るんですよね。その後毛糸でシュシュをつくってみたら、今度はすごく軽く感じて。毛糸だから当たり前なんですが、それから編み物が楽しくなっちゃって、いろいろつくり始めました。

当時はニットで編むシュシュとかヘアゴムが多かったですね。そうしたら、それを見た知り合いが、「イベントに出してみたら?」って言ってくれて。そんな気は全然無かったんですが、出店することになって、そのときに「SUSU」という屋号を名乗り始めました。それが、7年ほど前。子どもが2歳くらいのときでした。

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最初は、半年に1回くらいの出店で、ヘアゴムやシュシュ、キーケースをつくっていましたが、夏になって、モコモコしたニット製品では出店できなくなってしまって。それから、毛糸を糸に持ち替えて、アクセサリーをつくり始めました。

糸とビーズや石、金属など、異素材を組み合わせることによって、見え方は変わっていきますし、ちょっと懐かしくて幼い雰囲気の編み物が、大人の女性にも似合うアクセサリーに変わっていく、その化学変化が楽しくて。それからは、アクセサリーをメインにつくるようになりました。

子育てはとても忙しい時期でしたが、双子の子どもがいて外出するのも難しい中、編むことは、私にとって精神統一というか、無の世界というか、写経みたいなものだったのかな。仕事を辞めてしまって、自分の中から噴出するマグマみたいなエネルギーをどこに注いでいいかわからなくなってしまっていた。その注ぎ口を見つけた、という感じです。自分の世界に入ることで、それが私の支えになっていたんだと思います。

 

無限の「色」の世界を楽しむ

私のこだわりは、絶対的に「色」なんです。色のコントラストが好きで、民族衣装とか、幾何学模様とか、色が並んでいる写真やイラストをよく眺めています。たとえば「青と白のボーダーが好き」とか、そのコントラストがツボな人は絶対いるだろうな、と思って、そのツボにめがけてつくっているんです。あまりヒットしない時のほうが多いんですけどね(笑)。

好きな色は、青と緑、あとは補色にも弱いです。私は10歳から大磯に住んでいたのですが、父が山好きだったこともあって海にはあまり行かず、毎週日曜日は山に行くような家で育ちました。そして今、子どもと公園に行ったりすると、自分の小さいときの記憶をもう一度やり直す、みたいな体験をしている気がしています。たとえば幼い頃から好きだった花を見ると、すごくはっきりとした色をしているのですが、でも嫌味じゃなくて、形も面白くて、そういうところが好きだったんだなぁ、って。あまり深く考えたことはないんですが、そんな体験が作品の色に影響しているのかもしれません。

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ビーズや糸を使っているのは、身近なお店で手に入るということもありますし、なんといっても色がいっぱいあって選び放題だから。同じビーズでも、違う色の糸に通ると、全然印象が違うんですよ。夜つくって、夜の光では良かったけど、朝の光で見たら全然違ったり、その無限な感じが楽しくてつくっている気がします。それが結果としてアクセサリーという形になっていますが、とにかく、色。私は「色」を表現することしか考えてないのかもしれません。

基本的な編み方は、いわゆる編み物の本に書いてあるものと同じなんですが、ビーズの組み合わせは、すべてオリジナルです。1つのピアスやイヤリングをつくるのに、片耳で1.5時間ほど、両方で2〜3時間くらいかかります。最初にビーズを全部糸に通してから編んでいくのですが、そのために色ごとにビーズを数えて入れていくのが細かくて大変で。編むのは好きなのでいいんですが、ビーズを通す作業で精神的に半分くらい消耗している感じ。修行ですね(笑)。

 

「人に会う」ためにつくり続ける

大磯市のことは、別のイベントで出会った出店仲間から聞いて、第3回から出ています。最初は、失礼ながら「大磯に人が来るの?」と半信半疑でした。でも、ウェブサイトを見たらけっこうちゃんとしていて、「これは絶対都会からやってきたおしゃれな人が開く市に違いない!」みたいに思ったのが率直な感想でしたね(笑)。

でもだから逆に、「自分は出てやろう」みたいに思ったんです。ツイッターとかで大磯市がどんどん人気になっていったんですが、だからといって私の同級生は「なんか最近やってるらしいけど、何あれ?」みたいな感じだったし、親も全然行ったことがなくて。だから自分が出れば、そんなに人が呼べるわけではないけど、自分の同級生くらいにはお知らせできるし、とにかくもうちょっと大磯の人に来て欲しかったんですよね。だから大磯市だけは、第3子の妊娠期間もギリギリまで出ていましたし、何かない限り出ようと思って出店を続けてきました。

でも毎月出すのはやっぱり大変で。今は、上の双子の子どもが小学校4年生、下の子が4歳で幼稚園に行っているので昼間と、夜の時間を使って製作していますが、いつも間に合わなくて。「どうして私申し込んじゃったんだろう…」なんて思ってしまうこともあります。でも出店すると楽しくて、終わると、「楽しかった!また来月!」って思っちゃう。出ると単純に楽しいし、こんなに出店者さんと仲良くなるイベントは他にないので。ママ友と同じくらい、出店者の友達がいますし、今では、毎月の生活の一部に組み込まれちゃってる感じです。

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大磯は地元なので、懐かしい出会いもいっぱいあって。知って来てくれる人も、知らずに偶然会う人もいますし、港でばったり、みたいなこともあります。お客さんも、実演しているのを見て「編んでつくってるんですね」なんて話かけてくれたり、つくり方を聞いてくれたり、次の出店の時も来てくれたり。色のオーダーをいただいてつくることもあって、この前は、湘南ベルマーレの色、白、黄緑、青でつくったんです。そんな出会いも楽しいですね。

やっぱりそうやって「人と会う」ことが、私が作品をつくる一番のモチベーションです。出たら誰かに会える。今、ウェブサイトをつくっていて、そこで作品を買えるようにもするんですが、外に出て行かなくなることはないですね。何かない限り、大磯市だけは、これからも毎月出ようと思っています!

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【susu(スス)】

大磯出身・藤沢在住の川崎幸梢さんが立ち上げたニットアクセサリー&小物ブランド。「編んで作る」をテーマに、主にアクセサリー類を製作。大磯市のほか、各種クラフト市、マーケットなどに出店中。

ブログ http://susublog.jugem.jp/

Facebook https://www.facebook.com/susu.sow

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池田 美砂子

茅ヶ崎在住フリーライター、ひとりの娘のお母さん。人の言葉をありのままに聞くことで本質を見つめるインタビューを、ライフワークとしています。使命は、「ほしい未来を自分の手でつくる人を増やす」こと。この世にもっと、ワクワクを。