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「大磯サンデーアートウォーク」突撃REPORT~大磯町東エリア編~

2015.11.21 | アートウォーク
「大磯サンデーアートウォーク」突撃REPORT~大磯町東エリア編~

 

大磯市をもっと楽しむために、大磯漁港を飛び出て、町内のギャラリーやカフェのアート空間を.散策しながらめぐる【大磯サンデーアートウォーク】。第2回では、無料のレンタル自転車を借りて、大磯町東エリアにあるカフェや美術館、ギャラリー、さらに山奥に“黒金閣”なるナゾの建物があるとのウワサを聞きつけ、訪れてみました! 

今回も、大磯新参者でライターの上浦未来がお届けします。

 

大磯漁港近くで、自転車が無料でレンタルできます

 

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2015年9月から、大磯市が開かれている大磯漁港から歩いて1分。夏には町営のプールが開く「ポートハウスてるがさき」で、自転車が借りられるサービスが始まりました。最大利用時間は4時間で、なんと無料です。

今回は、この自転車を相棒に行ってきま~す。

info

問い合わせ:0463-61-5719大磯町産業環境部 産業観光課 みなと推進係)

住所:大磯町中郡大磯町大磯1398(ポートハウスてるがさき)

利用時間:9:0016:00(受け付けは15:00

必要なもの:身分証明書

 

大磯の有機野菜を使ったアッと驚く家庭料理が人気! 大磯のコミュニティスペース

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まず訪れたのは、漁港からおよそ1.5kmほど東へ進んだ、国道一号沿いにある「今古今」。ここは、60年以上も前に建てられた電気部品工場をリノベーションし、地域コミュニティづくりの一環として誕生したお店です。店内へおじゃますると、大きなテーブルが中央に並ぶ「日日食堂」があり、奥の広いスペースには、大磯近郊工房を構える作家さんたちの作品が販売されています。

「今古今」のモットーは、「暮らすように働くこと」。大磯市をきっかけに大磯へと移住した代表の坂間洋平さん、日日食堂の料理長である佐々木チエコさん、スタッフでありイラストレーターシマザキミユキさんたちは、新しいメニューの試作や土鍋ごはんの炊き具合の確認も兼ねて、みんなで朝ごはんを一緒に取るなど工夫して、時間に追われることなく働いているそうです。

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大磯産の無農薬野菜をたっぷり使った「日日食堂のプレート」950円。ぷちぷち触感の人参たらこや、シャキシャキ感のあるレンコン入りかぼちゃサラダなど、えっ、おっ、ほぉ!と驚かされる味や触感が待ち受けています。素材の味もおいしく、お箸がどんどん進みます。

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作家さんたちの小さなお店が集まったスペースには、女性向けのかわいいアクセサリーもいろいろあります。大磯在住の「tanetane」さんの「最後はまーるくおさまって木になったブローチ」(540円)。

 

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mizum工房」の「樹脂ボタン」(500円~)。

大磯の暮らしをたっぷり感じられるお店なので、空気感を味わってみてください。

大磯の山奥に存在する、ナゾの建物 “黒金閣”とは!?

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“黒金閣”なる、何やら怪しげな建物があるらしい……。そんなウワサを聞きつけ、続いて向かったのは大磯の山側の奥地にあるという「とりふね舞踏舎」。

漁港から東海道へ出て、東海道線の高架下を越えて山方面へ進んでいくと、大磯とは思えないほどの山道に突入してきました。傾斜も厳しくなり、本当に合っているのかだろうかと不安になるような道が続きます。

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あった!

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出迎えてくださったのは、「とりふね舞踏舎」を主宰する三上賀代さんと三上宥起夫さん。おふたりは1991年に、世界のコンテンポラリーダンスに影響を与えた、森羅万象、人間とは何か? などを体を使って表現する、日本の前衛的な踊りの“舞踏”の劇団を立ち上げ、フランスやイタリアの国際演劇祭ほか、ニューヨーク、ロシア、チェコ、アイルランドなど、海外公演も数多く行なっていらっしゃいます。

ナゾの黒い建物 “黒金閣”の正体は、手作りの野外劇場で、桜の会や紅葉の会の定期公演などを行なったり、稽古場としても使われているそうです。この黒金閣が建った最初は、真っ黒で大きく、宗教施設と間違われていたなんて、お話もあったそうです(笑)。

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毎週日曜日の13時からは、舞踏の稽古をする前に行なっている、野口体操をベースとした「からだの教室」が開かれています。野口体操は、東京藝術大学名誉教授の野口三千三さんが始めた体操で、重力に逆らわず、全身だけでなく顔まで脱力して、体と心をほぐしていく体操です。

立って膝をやわらかくして屈伸をしたり、2人組になって背中合わせにして相手にもたれかかって、力を抜いて最小限で動く練習をするのですが、自分でやってみると、体の力がまったく抜けず、カチカチ。心も乱れております。賀代さんのお手本を見ていると、骨がないかのように“だらん”として、これが舞踏でどう表現されるのかが、大変気になりました。なお、舞踏をやってみたいという人は、約1時間半の体操の後に、体験することもできるので、気になる人は事前に問い合わせてみて(Tel0463-60-1008)

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世代工房に向かう途中に通った、松並木が続く、旧東海道の化粧坂。風情感じる通りです。

ノートルダム大聖堂の修復を手がけるステンドグラス作家の作品がココに!

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お次は芸術家の暮らしぶりが垣間見える、大磯の住宅地にある美術館「世代工房」です。入口には、オーナーである彫刻家の西村浩幸さんと、パリのルーブル美術館で限定販売されているという、巨大なモーゼの像が現れ、二度見しました。

こちらは彫刻家である保田春彦さんと、イタリア出身の芸術家であり、妻の故・シルヴィア・保田さんが、過ごした自宅。現在は、おふたりの娘である西村エリーゼ嘉代子さんと、旦那である西村さんが家族で暮らし、その一部を展示室として開放しています。

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メイン展示物は、カトリック信者であったシルヴィアさんのスケッチを元に制作されたステンドグラスです。

Il Sereno del Cielo.=空の明るさ」という詩が書かれたこの作品は、信者としての静けさと、地中海の空の明るさ=希望が表現され、じっと見ていると、教会にいてイエス・キリストに見守られているかのような気持ちになってくる、不思議な力を持っています。

制作したのは、パリのノートルダム大聖堂の修復も手がける、世界的に有名なステンドグラス作家・志田政人さん。これまでに身に着けた、あらゆるヨーロッパの古典技法を結集し、完成させたもので、民家にあるとは信じられないほど貴重な作品です。

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展示室の様子。床には、羊毛を採取して手で紡ぎ、たった5種類の草木で糸を染めて作られた、世界最高峰のイラン「ミーリー工房」が製作したペルシャ絨毯が敷かれ、西村さんの彫刻作品も数多く展示されています。

11/14(土)~11/23(月・祝)までは、「くらしに活きる織物の美Ⅵ」ミーリー絨毯×象鯨彫刻家具の企画展が開催されているので、お楽しみに。

 

生活に寄り添う心地いいもの、あります

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国道一号を東へ東へと進み、花水川橋手前にある、築70年以上の民家を改装して誕生したギャラリー「布う」。店内は、日本家屋の良さ残しつつ、世界の古民具がインテリアなどに使われ、どこかアジアの空気を感じる空間です。

こちらでは、店主の石井益子さんが、生活に寄り添うもの、心地いいもの、を大切にして、声をかけた作家たちの企画展が月に2回開かれています。

訪れた時に開催されていた企画展「B.stuff -2015 autum & winter-」(10/110/19で終了)。「B.stuff」は、東京の千駄ヶ谷に本社を置く、天然革を使い、日本の職人が仕上げるバッグのブランドで、馬革を使った秋の新作がお目見えしていました。11/16(月)までは、素材にこだわり、布を染め、デザイン、縫製まですべてを手がけるデザイナー山田けんじさんの企画展「山田けんじ 服展」を開催中。企画展によって、毎回テイストが大きく変わるので、何度も訪れたくなるお店です。

 

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常設スペースには、石井さんが長くいお付き合いしている作家さんの作品など、暮らしを彩るアイテムがたくさん並んでいます。お値段は全体的に少しお高めですが、10年、20年と使えるものばかりなので、いいお買い物ができますよ。

という訳で、以上で今回の大磯めぐりもおわり。

自転車をうまく使って、大磯をもっと楽しんでくださいませ! 

上浦 未来

大磯在住ライター。愛知県生まれ。編集プロダクションを経て独立。18 歳で初ひとり旅に出て以来、旅にハマり、東南アジア、インド、中東、南米など、10年ほどかけて約 30 カ国を巡る。イスラム圏好きで、お気に入りの国はイラン。現在はイースト東京や地方都市など、国内で盛り上がるスポットの発掘に興味津々。体験ルポなどが得意。